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32.彼等の世界

 


桂と眼鏡とカラコンを外し、マントを取り一息つく。この服はあまり好きではない。スザクも複雑そうに見ている。そう、皇帝時代着ていた服だ。スザクはナイトオブラウンズの物。



「己が死んだ時の服なんて二度と着たくなかったんだがな」

「僕もだよ。君のその姿は二度と見たくなかったし、この服も着たくなかった」

「じゃあ何故それにした…」

「……この「ブリタニア第99代皇帝ルルーシュ」自体が仮面だったからな、やり易いんだ」

「僕もナイトオブラウンズの時が一番やりやすかったから」



さっさと着替える。
この姿はアッシュフォード学園の仲間に、黒の騎士団に、皇族に、ナナリーに、いや世界中に嘘をついた時の物。着なれてしまったがあまり好きにはなれない。



「しかし、あれが死霊使いか。流石と言ったところか……気を付けた方が良いな」

「そうだね……下手をすれば感付かれる」

「しかし………思ったよりも疲れた」

「お疲れさん」



眼帯をしてからベッドに倒れ込む。既に両目にギアスが出ているからあまり意味はないのだが、あまり使いたくないと言う俺の意志だ。



「戻れローレライ。俺の体力が持たない」

『承知。用がある時、呼ぶが良い。我ら赤き翼の呼び声には何時でも答えよう』

「それがルークと交信してたら俺の呼び出しに出なかったと言った奴の台詞か?」

『うぐっ…すまぬ。次からはきちんと答えよう。またな』




ローレライの気配が消え、更にどっと疲れが来る。譜術でも疲れるのに、音素の塊を呼び出していれば疲れもするか。



「んで、これからどーするんだ。ルーシュさんよ」

「戻り次第、ユーリには俺の指示で単独で動いて貰う。俺とリオンはキムラスカ、ゼロスとしいなはマルクト。それぞれに良い位置があるからな。スザクは……俺について来い」

「イエスユアマジェスティ」

「ダアトは……ゼロとランスロットだな。シンクは俺が引き取るとして、アリエッタは…ノワールに頼むか」



後はダアト側の事情が分かる奴が欲しいな。なるべくなら髭や大詠師に近い立場の人間。やはり六神将は味方に引き入れたいな。大詠師の動きも知りたい。もう少しルークに詳しく聞きたいが7年も前の話になってしまうので、ルークもアッシュも細かいところは覚えてないらしい。
とりあえず、大詠師の言うことに耳を貸さないように陛下に言うべきだな。だが、そうなると俺の立場が薄すぎる。昇進の話受けた方が良いかもしれない。いざとなったらギアスを使うしかないだろうが。ルーク達に関わってくるナタリア姫を巻き込むわけにもいかない。噂と言う形で出すべきか。いや、信憑性が薄くなるか。



「ルーシュ?」

「今話を聞いていないだろうな」

「よっぽど疲れてるみたいだね。こんなに考え込んでるルルーシュ久し振りに見たよ」

「いや、むしろ今後の事を考えてるんじゃねぇのか?」

「多分な。ルルには司令塔としての負担がかかる。せめて僕達で戦いはすませるべきだな」

「……今のルルーシュなら先に倒しそうだけどね」



何にせよまずはキムラスカを預言から脱却だな。ルークをもう少し動きやすくする。
後は、アリエッタの魔物以外の移動手段も考えるべきだな。「アルビオール」とか言う飛行機を早めに作らせるか。
それと同時進行でシンクとアリエッタを信託の盾騎士団から離れさせねばなるまい。完璧に髭が二人を諦める方法を。



「なんにせよ先ずはキムラスカの預言執着を消さなくてはな」

「そうだね。ルークは勿論シンクを受け入れるためにはそれしかない」



コンコン

タイミング良くノックの音が聞こえる。



「ルルーシュ君、俺様。連れてきたぜ」

「遅い」



そう言った後に入ってきたゼロスとしいな、そして残りのの二人。
男の方は跳ねている茶髪に赤い服、そして腰には二本の剣。二刀流使いか。女の方は長い金髪で、見た目からしてポヤッとしている天然系。白をもとにして青いラインが入っている服は自然と彼女に合っている気がした。
ドアを閉めてそれぞれが机やらベッドに座り、話を始める。



「んじゃ、紹介するぜ〜♪此方がロイド君で、この子がコレットちゃん」

「ロイド・アーウィングだ、よろしくな!」

「えっと…コレット・ブルーネルです。よろしくね」

「俺はルルーシュ・ランペルージ。訳ありでファミリーネームは偽名だが後で纏めて説明する」

「枢木スザクです。よろしく」

「リオン・マグナスだ。今はルルの弟となっているから、ファミリーネームはランペルージで覚えておけ」

「俺はユーリ・ローウェル。いちよう今はギルド凛々の明星のリーダーってことになってるけどな」

「ええっと…ルルーシュにスザク、リオンにユーリだな!」



一人で納得しているロイドと名乗った男に、瞬時に馬鹿と判断した。



「んじゃ…まあ俺様逹の世界について詳しく話しますか」



主に前半はロイドが語り、他三人が補足した。後半はしいなとゼロスが中心となり語り始めた。





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あきゅろす。
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