29.契約者赤き翼
「久しいなローレライ」
『何かようか?』
「とりあえず、死ね」
『ま、待て!?』
「俺に説明をしない貴様はいらん」
焦っているローレライを全力で殴り黙らせる。全員突然のローレライの出現に唖然としている。
「全く貴様が聖なる炎の光達と同じように戻ってきているならば、遠慮なく消したと言うものを…」
『す、すまぬ……我と彼等を戻した我は別人だ』
「もういい。さて……逆転だな」
その言葉にゼロスは剣を素直に床に落とし、しいなは手を上げた。完璧に敗けを悟ったらしい。
「ルル、それは……」
「第七音素意識集合体のローレライ。先程の炎は第五音素意識集合体イフリートだがな」
「そうじゃない!」
「俺は向こうで集合無意識にギアスをかけた。それが此方にも影響された、と言うことだろう?ローレライ」
『ああ、我ら意識集合体は契約者ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの"明日が欲しい"というギアスにかかった集合無意識に同調し、同じようなギアスにかかっている。そのギアスの力強さを感じ取った未来の我は赤き翼を呼び寄せた。その代償……いや彼に従う事を我等が意識集合体は自ら望んだ。我等ユリアの名の元に赤き翼の盾となり刃となる』
「こりゃおったまげたわ……意識集合体を従わせるなんてな。精霊使いならここにいるけど……」
吃驚しながら此方を見ているしいな。ゼロスはむしろ俺を睨み付けている。
「まあ、最もコレを使えば貴様らは俺には逆らえないがな」
眼帯を指しながら俺は言った。従わせることなど俺の一番の得意分野だ。
「君達はこれだけ騒いでて客一人すら反応してないのを不思議に思わなかったのか?」
「そういえば……」
「さて、茶番劇はここまでにしよう。二人の実力、考察力は大体予測できた。お前らも異世界からの訪問者だな?」
「「!!」」
今度は二人とも驚愕に満ちた顔になった。エミリオとユーリが俺の傍まで近寄ってきた。
「改めて自己紹介をしよう。俺の名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。地球と呼ばれた異世界で、黒の騎士団ゼロから神聖ブリタニア帝国第99代皇帝だった。そこにいる奴に殺して貰ったはずだがな」
「自分は枢木スザク。ナイトオブゼロにしてルルーシュの騎士。そして、向こうで悪逆皇帝ルルーシュを討った現ゼロだ」
「ルル達とは違う異世界のセインガルド王国客員剣士リオン・マグナスだ。ある事情から仲間を裏切り死んだはずだった」
「俺はルーシュ達ともリオンとも違う異世界テルカ・リュミレースから来たユーリ・ローウェルだ。ギルド名は向こうで所属しているギルドから借りた名前ってわけ」
「まさか…アンタ逹もだったのかい?……」
「どうやらそちらさんの話、俺様逹は大人しく聴く必要があるみたいだねぇ」
「ここまで説明して気が付かない馬鹿ならば放っておいたのだがな。理解したならば話してやろう。何故俺達がここに呼ばれたのかを、どうすれば帰れるかを」
俺が差し出した手をゼロスは力強く握り返した。
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