第6話 《検事》としてのアイツ
「ノコ先輩、もう一回言って」
綾里法律事務所の捜査中に、ノコちゃんが聞きたくない事を言った。
「だから、この事件御剣検事が担当する事になったんスよ」
「……とりあえず僕は真宵ちゃんは無罪派だから、ノコ先輩と捜査協力しないからね★怜侍に情報漏らしそうだし」
「えぇぇえ!?そりゃないスよ!?」
「ノコ先輩は真宵ちゃんの様子ちゃんと見たの?嘘は言ってなかったし、本当に千尋さんの死を哀しんでた。龍一君が言ってたけど、千尋さんの遺体を見て気絶までしたんだってよ。そんな子に殺人なんて出来ない」
「う゛……でも、自分は御剣検事を信じるだけッスよ!」
「僕は検事としての怜侍は今は信用できない。あの狩魔流のやり方は僕は大嫌いだ。上が怜侍を指名したなら絶対に犯人が他に居る。上層部と繋がりがあるような犯人が」
「……でも「事実、僕が調べたら狩魔豪、御剣怜侍、狩魔冥の三名は証拠隠滅、証拠隠ぺいを何回もしていた。もう少しやるようならマスコミに流す。証拠は沢山出たしね」
「ちょっちょっと待つッス!!」
「怜侍が考え方を変えないなら僕も手段は選ばない。今回はどうなるか分からないけどね」
「それってどう言うことッスか……ってコラ!ここは立入禁止ッス!……ん?たしかアンタは…ん、ヤッパリくん……だったッス?」
振り向くとたいぶ疲れた顔の龍一君が立っていた。というかノコちゃん……
「ナルホドです!」
「あ、そうそう。なんかそんな名前だったッス!"ヤッパリ"は、たしか殺人犯の名前だったッス」
「人の名前間違えるなんて失礼だよ!!ノコ先輩!!!しかも、寄りにも寄って矢張と間違うなんて龍一君が可愛そうだよ!!後、矢張は無罪だったの!!!」
「…松山も十分に酷いよ」
げしっとノコちゃんを一発蹴った。
「痛いッス!!!」
「べーった!!ノコ先輩なんか嫌いだもん」
わざとらしく龍一君の後ろに隠れた。呆れた目で見られたが、龍一君はすぐにノコちゃんに向き直った。
「えーと。そういうあなたは、たしか……イトノコ刑事……でしたよね」
「そッス。イトノコッス……。ってアンタ!人の名前勝手に縮めちゃダメッス!」
「龍一君ナイス★」
「「………」」
「自分は、糸鋸 圭介ッス!なんぴとたりとも、自分を"イトノコ"なんて……「おい、イトノコ!こっち、早くたのむよ!」ハ、ハッ!す、すぐ行くッス!」
「ノコ先輩、行きなよ。僕が龍一君の話聞くからさ」
ノコちゃんを向こうに追いやった。溜め息をつきながら龍一君を見た。
「良ければ僕が話すよ、龍一君。真宵ちゃん助けるか悩んでるんでしょ?」
「うん……お願いするよ。千尋さんの……解剖は、したの?」
「とりあえずは、まだ詳しい解剖記録は出てないけど。はい、これあげるよ」
龍一君に持っていた解剖記録をあげた。複雑そうにその記録を見つめていた。
「午後9時…鈍器で1回殴られて即死、か」
「最新のは、まだだからちゃんとしたのは法廷でになると思う」
「ありがとう、松山。後、真宵さんのこと……」
「多分やり手の弁護士じゃないと厳しい法廷になるよ」
「ど、どうして?」
「検事局が、この事件の担当に、あの御剣検事を任命したんだ……」
「ミツルギ検事…だって?」
「うん。あの御剣 怜侍」
「有罪判決を獲得するためには手段を選ばない、血も涙もない、オニのような検事……て話だよね?」
「そ、やり方が酷いのは僕の耳にも入ってる」
「御剣検事が出てくるのか……」
「20歳という、異例の若さで検事になって以来、負け知らず。黒いウワサも絶えない。裏取引や証拠のでっち上げ……異常ともいえる"犯罪"に対する憎しみ……みたいな★」
「松山……でもまさか、こんなに早く会うことになるとは……」
難しい顔して俯いてしまったが、思い出したように龍一君は顔をあげた。
「ねぇ、綾里 真宵の携帯電話の事なんだけど…」
「あぁ…僕がノコちゃんから取り上げたよ。流石にノコちゃんに携帯電話を持たせておいたら、彼女が可哀想だし。中も調べて後だから、返すよ。録音の事は僕以外気が付いてないしね」
「良いのか?言わなくて」
「唯一の御剣検事への秘密の手札とするんだよ」
「!…ありがとう!!じゃあぼくはもう帰るよ。松山が居てくれて助かった」
「じゃねー、頑張ってよ龍一君!」
龍一君が帰ろうとしたら、ノコちゃんが何か話していたがまぁ無視だ。
僕は僕でこの事件追わせてもらおう、色んな国の色々な事件を見てきた僕が。
(犯人、僕が動くからには逃がさない)
(千尋さんの為にも…真宵ちゃんを助けたい!!)
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