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第20話 スタッフエリア捜索

 


撮影所のスタッフエリアに僕達は来た。



「なっ、なるほどくん!陸さん!ここ、スタッフの人たちが作業するところだよ」



真宵ちゃんは嬉しいのかニコニコだ。真宵ちゃん絶対に撮影所見るのが目的だよね……。



「あっ。あそこ。荷星さんの楽屋がある!」

「張り紙に“荷星 三郎様”か……流石主役……」

「事件があったばかりだからまだ誰もいないんだ。色々見てまわろうよ!」



真宵ちゃんは少し残念そうだ。
まさか怜待も見たいとか言わないよね?

とりあえず見て回るらしく龍一君は歩き始めた。



「排水口の金網が、外れてる。ハメなおすのは無理だな」

「現場維持、これ基本だよ龍一君」

「分かってるよ。けど、結構大きい穴だ。子供なら通ることが出来そうだね」

「あ。あそこから入ってくれば、入場料、払わなくてもいいね」

「じゃあ、帰りはあそこから出たら?」

「うん!そうする……!……ん?」



子供扱いされてる事に気付こうね、真宵ちゃん。さりげなく馬鹿にする龍一君もどうかと思うけど。

金網の傍にある電動自転車をチラリと龍一君は見た。



「龍一君、電動自転車使う?」

「いや……なんともいえない中途半端な感じが、ぼくはキライかな…」

「なるほど……僕は電動自転車使うくらいならバイク使うしなぁ」

「えーでも、坂を登るのラクだよ」

「若いのに、あんなもの使うな!」

「龍一君も十分まだ若いよ………」

「ね!陸さん、これ?」



真宵ちゃんは机の上にある皿を指差した。皿の上には、骨付きステーキの骨だけが乗っていた。



「スタッフさん達の昨日の昼食らしいよ。事件があったから、誰も片付けていないんだと思う」

「あたしも食べたかったな、骨付きステーキ」

「さっき、みそラーメン食べただろ?」

「みそラーメンは、別バラ」

「(どんなハラだよ……)」

「みそラーメンかぁ……良いな。そう言えば昼御飯食べてなかった気が……」

「ちょっ!?陸、ちゃんと食べようよ!昔から集中すると食べるの忘れるんだから!!」

「癖だから仕方ない★」

「ちゃんと食べてください陸さん!!」

「分かった、分かったから……」



まさかの真宵ちゃんにも怒られた。周りに人が居ないと面倒臭くてあんまり食べないんだよね……。



「そう言えば、肝心の楽屋行かないの?」

「「あ」」

「……僕、成歩堂法律事務所の将来が心配だよ」



龍一君が苦笑いしながら楽屋のノブをひねった。



「カギはかかってないみたい」

「僕達が調べたからね」

「ね、ね、なるほどくん。入ってみたいよー。記念に、なんか貰っていっちゃおう!」

「“なんか”ってなんだよ?」

「“トノサマン・スピアー”とか」

「凶器じゃないか、それ!」



龍一君と真宵ちゃんの息の合った漫才を聞きながら楽屋に入った。



「(……荷星さんの楽屋)」

「龍一君、折角僕が居るんだから話してよ」

「!……ありがとう、陸。事件があった昨日の午後は……」

「僕達警察にも荷星さんは、ここで昼寝をしていたって言ってたよ」

「でも昼寝しているところ、誰も見ていないんだよね」

「そのかわり、殺人現場近くで写真を撮られてるんだよな(荷星さん……。信用して、良いんですよね……?)」



別にあんな写真、証拠にはならないからね。思い詰めなくて良いから龍一君。



「とりあえず調べたら、龍一君」

「…………そうだね」

「僕も荷星さんは犯人じゃないと思う」

「!……そう、だね」



僕達は部屋の中を調べ始めた。



(……怜待しつこい(ブチッ))
((ついに携帯の電源切ったよ…))
((少し御剣さん可哀想に思えてきたね…))
((うん))



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