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第17話 《真実》の為の協力

 


pipipipi



「松山の携帯じゃないッスか?」

「あ、本当だ。ちょっと抜けるね」



次の日、なのだがやっぱり捜査中である。ノコちゃんは決定的な証拠品を探しに探し回っている。
結局怜侍に報告しなかったらしいし。

場所を離れてディスプレイを見ると《龍一君》と表示されていた。捜査中に私情の電話は御法度だが……ま、いっか。



「はーい、何だい?龍一君」

『あ、松山。聞きたいことがあるんだ』

「ん、何?」

『トノサマンの事件聞いてるよね?』

「うん、僕現在進行形で捜査中だし」

『そうなの!?あ、なら言って良いよね。ぼくが荷星さんの弁護する事になったから』

「おぉ!真宵ちゃんが張り切ってるんじゃない?てか、真宵ちゃんがやろうとか言い始めた?…てか、そうなると龍一君はまた怜侍と当たるんだ」

『……御剣が担当検事なのか。さっき荷星さんにも会ったから真宵ちゃん張り切ってるよ。その件なんだけど実は荷星さんから弁護して欲しいって連絡貰ったんだ』

「だって僕が龍一君の事務所教えたもん!」

『……納得』

「龍一君と真宵ちゃん、現場に来るの?」

『うん、今から行くよ』

「りょーかい。とりあえず荷星さんから依頼状貰っときなよ。担当弁護士が決まったって報告来てないし」

『そうだね……ねぇ陸』

「何?龍一」



久々に龍一君に名前を呼ばれた。だけど、物凄く真剣な声だったから僕も切り替えた。



『どうして協力してくれるんだ?それ以前にどうして刑事になんかなったんだよ?研修の事も何か隠してるみたいだし』

「協力するのは《真実》を見付けるため。怜侍やノコちゃんは《真実》から目を反らしてるから…龍一は弁護士として依頼人の為に《真実》を探してるからね。………それは今度怜侍も交えてゆっくり話すよ」

『後さ、陸は御剣のこと好きなのか?』

「恋愛としてだよね?…うん、好きだよ。だからこそ、僕は怜侍に目を反らして欲しくないんだ。あの頃の輝きを取り戻して欲しい」

『だから、気付いてるのに御剣の気持ち無視してるのか?』

「それもあるけど…ま、からいたいだけ★」

『あのねぇ陸……でも、面白そうだからぼくもやろうかな?とりあえず名前呼びで、御剣妬かせよう』

「………僕が恥ずかしいから止めて」

『じゃ、陸、後で現場でね!』

「ちょ!?待て!!!龍一!!!!」



ブチッ



「………何か龍一君が黒い」

「松山ーー!第1スタジオに行くッスよ!!」

「あ!はーい!!」



ノコちゃんの元に僕は走り始めた。





(なんか本当に大丈夫かな?だけど怜侍からかうの面白そう!)

(なるほど君、楽しそうだね)
(確かに楽しいかも、真宵ちゃんも手伝って)

(……何故か物凄い寒気がする)



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