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第16話 厄介な警備員

 


「なんだい?あんた達は」

「所轄の刑事の糸鋸圭介ッス!」

「同じく刑事の松山です。捜査をしに来ました」



怪しい目で警備員の人に見られたので、ノコちゃんと警察手帳を見せると急に態度が変わった。



「刑事さんね、ご苦労様」

「貴方のお話もお聞かせ願えないでしょうか?」

「全然構わないよ。立ち話もなんだから中に入んなさい」

「ありがとうございます」

「捜査協力感謝するッス」



快く警備室に入れてくれた警備員のオバチャンは、ついでに羊羮とお茶も出してくれた。



「貴方のお名前を先に伺っても構わないでしょうか?」

「大場 カオルよ。気軽にオバチャンって呼んでちょうだい」

「オバチャンは事件当時何時から何時まで入ってたんスか?」

「午後1時から5時までずーっとよ」

「確か…死亡推定時刻午後2時半だったよね?」

「そうッス」

「これここの地図なんだけどね、」



オバチャンが渡してくれたのはここの地図。指を指しながらオバチャンは説明してくれた。



「この殺人現場の《第1スタジオ》は、この警備室を左にいけばいいんだけどォ、スタジオへ行こうと思ったら必ずここを通ることになるの。昼御飯食べてる為に1時前は皆《スタッフエリア》にいたからね」

「なるほど…つまり殺人前の1時から2時半の間にここを通ったのは荷星さんだけ、と」

「そうヨ。よく分かってるじゃない」



嬉しそうなキラキラした目でオバチャンに見られた。まさか、好かれた!?



「もう一個オマケよ、はい」

「この写真は?」



明らかにトノサマンが写った写真。決して荷星とは言い切れない。



「スタジオ方面に行くにはそこのゲートを通らなきゃ行けないんだけど、センサーで監視カメラが写真を撮るようになってるんだよ。その写真はそれで撮ったの。ね、荷星でしょ?」

「「…………」」



ノコちゃんと顔を見合わせた。
決定的な目撃証言と証拠があると聞いた怜侍はついてこなかった。これは絶対に怜侍に報告出来ない。



「あ、ありがとうゴザイマス」



必死に笑顔を保って、オバチャンから写真を受け取り、オバチャンに見送られてスタジオ方面に足を踏み入れた。



「ノコちゃん…これは1日目の法廷終わったね」

「まだッス!!自分が絶対に探し出して見せるッス」



ノコちゃんの気合いが無駄に入った。





(結局見付からなかったね。ノコちゃん、怜侍に報告するの?(笑))
(う゛……)
(明日には担当弁護士決まるかなぁ)



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