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第8話 新たな犯人の浮上

 


今回の法廷で龍一君は、予想以上に働いてくれて"梅世が盗聴していた事"、"ボーイの証言"、"もう一人の男"の存在を引っ張り出してくれた。



「龍一くーーん!!」

「うわっ!?松山来てたの!?」



龍一君に思いっきり後ろからタックルをかましたが流石に倒れはしなかった。



「ノコちゃんの付き添いで今日は法廷見れたよ」

「そう言えば松山って糸鋸刑事と仲が良いよね?」

「先輩だもん、僕がアメリカ行ってる間少しも出世できなかったけど先輩だよ。さてさて、おめでとう龍一君。あの御剣検事相手によく頑張ったじゃない」

「相変わらず酷いね。ははっ…自分でもよく耐えたなって思うよ」

「もう一人の男とその証拠を掴まなくちゃね」

「明日までに頑張るよ!」

「あっあの!!」



話が区切れたのを見計らって、彼女が話しかけてきた。この子が綾里 真宵ちゃんか。マジマジ見たのは初めてだけど、確かに奇妙な服に奇妙な頭の結い方だ。



「何?」

「弁護士さん、彼は誰なんですか?」

「ぼくの親友だよ。この事件を担当しているもう一人の所轄課の刑事だけどね。味方だから大丈夫だよ」

「松山 陸です★このツンツン頭とは腐れ縁の親友だよ。味方だから大丈夫」

「ツンツン頭は無いだろ!?」

「あ、はい!綾里 真宵です。宜しくお願いします!」

「ツンツン頭は無視して、真宵ちゃんで良いかな?僕の事は好きに呼んで」

「構いません!じゃあ陸さんで。陸さんの事なら信じてますよ!最初にあたしは犯人じゃないって言ってくれましたもん」

「信じて貰えないのは寂しいもんね。身内が死んだのに犯人扱いされて……僕は真宵ちゃんが無実だって信じてる。だから、龍一君を信じてあげてね」

「はいっ!」



笑顔の真宵ちゃんは可愛かった。でも、顔には疲れが見えている。早くちゃんと泣かせてあげたい。



「さぁ龍一君。行ってきなさい、第3の男を探しに」

「松山は?」

「ノコちゃん待っとかなきゃいけないから、また後で電話するよ。負けた怜侍の顔見たいし」

「あ!あたしも見たかったなぁ」

「じゃ、僕はノコちゃんの所に戻るよ」



僕は二人に手を振って被告人控え室を出た。

































「怜侍!」



ノコちゃんを探していたら怜侍が居た。未だにブツブツ文句を言ってるし。とりあえず無視したから脛を蹴ってやった。



「っつ!?」

「無視すんな★フリフリ」

「なっ!?私はフリフリなどではない!!」

「首がフリフリだよ、間違いなく。それより、龍一君に見事にやられた姿もう笑いが堪えきれなくなりそうだったんだけど」

「新米弁護士なんぞに……」

「怜侍、教えてあげるよ。今回の被害者のあの千尋さんが龍一君の事《天才》って言ってたんだよ。まだ甘いのは経験が足りないだけって。後さ僕は《99の嘘も1つの誠には敵わない》って思うよ。隠し事をした怜侍と、誠の信念を貫き通した龍一君。勝敗は明らかだよ」

「……私は」

「信念を貫き通して、龍一君と戦ってみなよ。龍一君、御剣を助けるために弁護士になったんだってよ」

「なっ!?成歩堂がそんな事を言ってたのか!?」

「うん。見た目は怜侍の方がカッコイイけど、今は断然龍一君の方がめちゃくちゃカッコイイよ」

「Σ!!」



色々とショックを受けたらしい怜侍は黙り込んでしまった。はっきり言えば、恋愛方面的には怜侍が好きである。龍一君とは、本人同意の親友だ。

え?男女の友情なんか有り得ないって?
そんなの嫉妬してる奴らが言ってるただの戯言だよ。



「実は龍一君みた時から自分のやり方に迷いが生じたりしたとか」

「Σう゛!!」

「本当は嫌だったとか」

「Σう゛!!」

「図星か、今からでも遅くないんじゃないの?ゆっくり自分の道見つけなよ」



そのまま落ち込む怜侍の隣を歩いた。





(そう言えばノコちゃんは?)
(松竹 梅世を署に連れていくと先に帰ったが)
(Σ置いていかれた!!)
((代わりに私が待ってたんだが…))



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あきゅろす。
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