*僕が君と恋を始める日(黒バス 女主)
ひゃくしょう
side黄瀬(原作+a)
「負けは論外。内容うんぬんの話はまず勝ってからだ」
緑間っちがカチャリと眼鏡を持ち上げ、直す
「へー」
「他人事のような返事をするな。万一負けたら二人は二軍降格なのだよ」
「げっっ」
そして
ザッザッ
(改めて見ると二軍だけでも数いるなー。けど…その先頭の一軍レギュラーが一番弱そーってどーよ!?)
「黄瀬君どうかした?」
俺がいろいろと考えているといつの間にかウサギっちが目の前にいた。
「あ!いや別になんでもないっスよ」
「そっか。じゃあ何かあったら言ってよ」
「りょーかいっス」
俺はウサギっちが別の場所に移動したのを確認してからこの人に話し掛ける
「黒子クン。1つ提案なんスけど…」
「なんですか?」
「この試合もしオレら二人出ることになったらどっちが点多く獲れるか勝負しねっスか?もしオレが勝ったらそのユニホーム下さい」
ニヤリと俺の口角が上がるのが分かった
「嫌ですけど…もし負けたら勝負はどうなるんですか」
「そりゃあそれでも点を…嫌ですけど!?」
「というか無意味です」
「!?」
「ガラではないですが教育係になった以上一言、言わせてください。チームで大事なのは自分が何をすべきか考えることです」
何をすべきか…?
「でもその負けん気は買いだと思います」
キュッ、キュッ
「オラァいけぇブッつぶせー!!!」
(けっこー強豪らしいけど…)
何アイツらガラわるっ
ダムッ、トッ!!
あ。入った。
「おおしゃナイシュ!!帝光っても二軍じゃやっぱこんなもんかよ!!」
つかいまのファウルじゃ…!?
(ずいぶんいかがわしいジャッジっスね)
48−69
負けてんな。
「…黄瀬」
ビーーッ
「帝光選手交代です。」
(一軍同時投入じゃねんだー。どっちにしろムリだったっスね…)
キュッ、キュッ
「おおっ!?」
あたりキツい…てか…
ガッ…
「いってっっ」
ダムッ、ドッ…
ピーーッ「オフェンスチャージング!!」
っこのっ…こっちにはキビシイっスねクソ!
61−75
やっべ点差縮まねえー
こんなセコいカンジで負けるなんて…
(いやすぎっス)
ビーーッ「帝光選手交代です」
あ…
「またずいぶんショボいの出てきたぞオイ」
「バスケなんてできんのかー?ケガすんなよ!」
ギャラリーが騒ぐ
「すみません力を貸してください」
突然話し掛けられた
「いや…オレ!?逆じゃねんスか!?」
「ボクは影(脇役)だ。点を獲る光(主役)は黄瀬君です」
なんかカッコイいこと言ってるけどウスいだけの人が何できるんスかマジで!
…うおおい!
(てゆーかDFの眼中にも入ってねぇじゃん!!)
その時だった。
バチィッ!!
「なっ…」
何処からともなくボールが飛んで来た。
あっ…もしかして。
オレはわずかに仮定をたてそのままボールをゴールへと放った。
「なぁー!?」
「何が起こった今ー!?」
まさかカゲのうすさを逆に利用してパスの中継役に…!?…って
(そんなのアリか!?)
「ボールから目を離さないで下さい。点差が点差なんで本気でいきます」
結果は83−81
「ちょっとだけ…言ってなかったっス。けどやっぱわかんねーっス!」
「?」
「すべきことってのがもしわかったとしてもそれが自分をギセイにしなきゃいけないんだったらオレにはムリっス!」
言いながら思った
「黒子っちがスゲーのはわかったけど…それって楽しいんスか?」
たぶんこの人はギセイとか考えてない
「…楽しくないですよ」
だからスゲーと思った。
この勝利への純粋さを
「負けたらもっと」
とか言ってみた中二の春。
「それより、黒子っちってなんですか?」
「あーオレ尊敬する人にはつけるんス」
「…やめてください」
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