リュウノヒゲ-変わらぬ想い-改
聞かせて。
あの時のツナにはビックリさせられた。だって、いつもとは違うツナだったからね……。
でも、私は…
聞かせて
(いつもの貴方が一番好き。)
3年経ったかな?…彼と付き合ってから。
高校1年生になった。勿論ツナはギリギリ合格で並森高等学校に入れた、私は普通に受かったけど。
なにより嬉しいのが中学1年生の頃から同じクラスってこと。これは、何かしろの縁って感じがするのは私と(きっと)彼だけだと思う。
「おい、蒼。」
『な、何?獄寺君。』
「10代目の事をちゃんと知ってんのかって思ってな。」
ツナの事……?
知ってるけど…
『全部じゃないけど…』
「お前…本当に知ってたほ「獄寺君ッ!!」10代目…。…すみませんでした。」
ツナの一喝で獄寺君はこれ以上の言葉を発するのを辞め、私から1歩退いた。
彼が私の所に来て
「蒼には、オレの全部を知らなくてもいいんだよ?……だから、気にしないで。」
って言われた。
………けど、全部なんか知らなくてもいい。って…なんか嫌だ。隠し事をしているようで嫌だった。
リボーン君から「ツナと一緒にイタリアに行かねぇか?」って言われたから、今年の夏休み。ツナとの2人でイタリアに来ている。
夏休みのギリギリまでここに滞在する予定だと聞いて嬉しさを隠しきれなかった。
イタリア語については、中2の頃から趣味でやっていたイタリア語の勉強をしていたからなんとなく分かる。だから困ることはなに一つない。(お金はリボーン君から出しとくって言われたし。)
『Questo un libro?』
って聞くとイタリア人の方が優しく教えてくれた。イタリアっていいね〜!!
『Grazie.』
「…す、凄いね!蒼って。」
『そう?ありがとう。』
この後の会話が、“言ってた意味は?”って聞かれたから『図書館は何処ですか?』『(教えてくれて)ありがとう。』って話した。やはり彼は、感嘆の息をついていた。
図書館の近くに宿泊するホテルがあるって聞いたから、もう夕方なのでチェックインをした。
意外に部屋の大きさに圧倒された私と彼。
しかも1つしかベットがない代わりに大きいし、枕が2つある……。
『はいぃぃッ?!』
「なっ…何で枕が2つゥ?!」
絶叫した私達。1日目はそんな日だった。
時が流れるのが早いって事がよく分かった夏休みだった。
イタリア滞在の最後の日の前夜。
私達は夜景を眺めに部屋のテラスに出て、イタリアにいた時間の事について語っていた。
やはり時間の流れが早く、部屋の中にあった時計を見てみると、夜の11時になっていた。夢中になって話していたせいだ。とすぐ思った。
『やっば、もう11時だよ。』
「あっ…本当だ。早いねー!」
刹那、不意にツナが私が部屋に戻ろうとすると、手首を掴み戻ることを拒む様に強い力で掴んできた。
『ツナ?もう夜だっ―』
引っ張られた衝動に目を閉じると、柔らかい感触を唇に感じた。
『んっ…はぁっ…。』
「ごめん…。」
『別に…どうしたの?』
「オレがマフィア界のボスでもこれから一緒に居てくれる?」
と言われ、悩んだ上でOKした。……マフィアって思うと、どうしても“死”というイメージしかないから。
けど、生涯ツナと共に生きていくと決めた私は必ず“はい”と返した。
これからも失恋から始まる君の追想曲(ラプソディ)を聞かせて。
失恋から始まる君の追想曲を聞かせて。-end.-
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