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リュウノヒゲ-変わらぬ想い-改
貴方は…?3










彼女の行動1つ1つが健気に見えて仕方がない。嗚呼、僕はいつから狂ったのだろう………。




















































































これからのように蒼は僕の居る応接室へ行きたがった。

「恭弥ー。応接室に行ってもいい?」
「駄目。」
「何でー?」
「僕の場所だし、お茶入れるの面倒だから」
“面倒”ってもんじゃない。
君と同じ場所に居る、同じ空気を吸っているだけで狂うから。
ワガママ?………そうかもね。自分が狂うのが嫌だからの話。
自分のことだけ考えて彼女を離す…
こんなことできなくなればな…(まぁ、無理だと思うけどね。)


「恭弥…?」
「…ん。何?」
「上の空だったからなーって。考え事?」
「…うん。とりあえず、僕の所に来ないでね」

僕はそういうと彼女に背を向け応接間に向かった。最後に何か言ったかもしれないけど…無視したんだ。僕が狂い始める前に。
これは、自分のためでもあって、色んな意味で君のためだったのかもしれないから。





















































放課後、本当に何もやってないと時間が流れるのが早いね。もう、夕日の光が僕の場所を照らしていた…

草食動物達が群れを成しながら帰って行くのを見る。やっと、僕の時間だと思った矢先に彼女が来るんだ。

「きょ、恭弥?」
(何で…)

「来ちゃ…悪かった?」
(何で…?)

「ねぇ…恭弥。」
(僕の言ったことを)

「また考え事?」
(聞かないの?)

彼女が来た衝動に不意に椅子から立ち上がって彼女をずっと見ていた。疑問を持ちながらね。
僕の言ったことを聞かない彼女に苛立つ僕。当たり前でしょ?僕の言うことを守れやしないから。

「何で…来るの?」
「だって…」
「だっての問題じゃないはずだよね?」
「ぅ…」
「何か言わないと咬み殺「好きだから…」……?」

「好きだから…来るの、ダメなの?」

彼女は何も分かっていない。好きだから来る…?論外だね、“好きだから”?あぁ、駄目だね、駄目だよ。
僕が狂うからね。

「早く帰れば?」
「恭弥と帰りたい…」
「僕は群れなくても帰れる。」
「そういう事じゃなくて…」
「僕は君のことが嫌いなんだ!…早く消えてよ。」

「え…ぁ…」
「…」

「そう、だよね。こんな奴、好きじゃないよね…ヒック。…さよなら…」


最後に彼女の顔は見なかったけど、傷付けてしまった事が分かった。
彼女が流した涙が床に落ちていて、まだ乾かなかった。


(何てことを言ってしまったんだろう…)




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あきゅろす。
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