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リュウノヒゲ-変わらぬ想い-改
1週間の離ればなれ










「大っ嫌い!!」
「いッ、いきなり何ッ?!蒼。」
「とぼけないで!もう、知らない!知らない!」
「ちょっと―…」
「お前なんか知らなーいっ!!」





1























ついさっきまで私は綱吉と喧嘩をして彼の家を勢いよく飛び出していった。

飛び出していった際に綱吉が何か言ったかもしれないけど聞く耳持つ気などさらさらなかった。
それが、当たり前だと今、感じたから…。

さよならだよ、綱吉……。



























私の部屋に居て暫く眠ってたみたいで時計は既に午後9時を差していた。
体勢がうつ伏せになっていた体を起き上がろうと枕に手を着いた。

「…?濡れてる…」

枕がしっとりと濡れていて何が起きたかは予想は出来る。
泣いていた。

間違いない、涎だとしても量が多すぎるし。
泣いていたのか…情けない。まだ綱吉の事を嫌いだとは思ってない証拠だ…

「いや、私は綱吉が嫌い」
私は私にそう言い聞かせる。
私はもう、あの人が嫌いなんだ。

不意に携帯を開くと不在着信履歴が何件、メールもあった。

「うっとおしいなぁ…」

直ぐに削除しようかと思ったが、一理内容を見たいという気持ちに駆られる。ま、私も人間だからね。

留守電の声を私は静かに聞いた。

「えっと…あのさ、オレが何したかよく分からないんだ。よかったら教えてしいんだ。あと…あっ…!」

ツーツー

声を聞いてはまた聞いて…それを繰り返した。

「あ、あと…自分でも考えたんだ。でも、分からなくて…」

ツーツー

私は飽きてきて2件聞いて終わりにして全て削除した。

次はメール。
メールは1件だけらしく、そのメールの送られてきた時刻を見ると留守電の2件目の次だと思われる“19:50”。

オレが何したかよく分からなくて…
オレ、オレがダメダメだからだよね。うん

とにかく…蒼に謝りたくて…メールを送ったんだ。教えてくれる…かな?



謝りたくて?自分が悪いと感じたなら謝ればいいのに!謝ってよ、早く!!

苛立った私は直ぐにメールを削除した。
苛々する。むしゃくしゃして仕方がない。

ベットに横になる。
下から母の声がするが何を言ってるかもよく分からない。



ふとすると何処からか声がしてきた。母の声ではない。
私はベットから飛び起きた。

「誰ッ?!」
「んー。怒鳴っちゃって、可愛くないなぁ〜…」
「う、煩い!!誰って聞いてるの!」
「答える権利はないな。それより、肩の力抜こうか」

実体を現さない声に肩の力を抜けと言われた。
抜くはずがな…い

何故か段々と力が抜けてきて最後には立てなくなり意識を失ってしまった……。

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