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リュウノヒゲ-変わらぬ想い-改
貴方は…?2










僕が僕じゃなくなってしまうじゃないか…


























「雲雀さん…?」
「話しかけないで」
「えっ…?」


君の声を聞いてるだけでおかしくなる。
胸が痛くなる。

「ど、どこか痛いんですか?」
「いや…」
「よかっ…!」
「?」


暫く沈黙が続く…
そして蒼が、

「話しかけないでって…言うから」


どこまでもお人好しな人なんだろう。

話しかけないでって言ったのは1回だけの意味だったのに。

「あぁ…気にしないでいいから。忘れて」
「うー…無理だよ。」
「…」

僕はまた暫く沈黙を続かせて、黙りながら彼女の元へ行き、両頬を引っ張り


「忘れないと咬み殺すよ?」
「うー…わかりまひたー」


彼女の返事を把握すると僕は手を離す。


引っ張った所の頬が赤くなっていて、蒼は少し涙を浮かべながらそこを手で擦る

「痛いよー…」
「…ごめん」


僕の口から不意に出た言葉。



        「ごめん」

僕でも驚いた。人の前でこんなに素直になったのは。
でも…他の草食動物は違う。「ごめん」など言わなくても素直なのに…

あぁもう駄目だ。彼女と居ると僕は狂ってしまう


「雲雀さん…?」
「何?」
「え、いや、あのー…雲雀さんの気が途方にくれてましたから…」
「名字で呼ばないで。」
「は、い?」
「分かるでしょ…ッ!」


言ってしまった。僕の名字で呼ぶな。と…
終に蒼に愛を求めるような事を言ってしまった。
僕のプライドが…

「恭弥。」
「?!」
「驚かないでよっ。名前で呼んでって言ったのは恭弥でしょ?」
「まぁ…ね」
「あ、でも恥ずかしいかな…少しは。」









「ふふっ」
「な、何?」
「今から名字で呼んだら咬み殺してあげるから。」
「えぇーっ?!」







本当…憎めても憎めない子だよ。


僕を狂いさせて。




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あきゅろす。
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