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リュウノヒゲ-変わらぬ想い-改
貴方は…?










「ねぇ…貴方は誰?」





























30分前に嫌な知らせが来た。
蒼が事故にあったということ。


30分かけて有名な病院に行き、カウンターの看護婦の元へ駆けていき、僕は必死に


「蒼は?蒼は何処に…!」
「おっ、落ち着いてください!」
「落ち着ける訳な「雲雀…恭弥さんですね?」…そう、だけど?蒼は?」
「無事ですよ」


その言葉を聞いただけでおさまるがない
蒼の無事の顔を見たいんだ


「それで…何号室何なの?」
「108号室です」


すぐ108号室と聞いて廊下を全力で走る
108号室のドアを思い切り開け他の入院者は居たけどおかまいなく、蒼の所まで強く踏みしめながら行った。



「蒼…」
「ねぇ…貴方誰?」
「は?」
「誰なの?」
「知ってるくせに…ッ!!」


僕は腹を立てて蒼を叩こうと手を挙げた

でもすぐに彼女の怯える顔が目に映り、手を下げた


「雲雀様。彼女は記憶喪失になって…しまったんです」
「そんな訳ないよ。僕の蒼はそんな事になんかならない!」
「いいえ…車に強く頭を打たれて…脳が…」
「治るよね?」
「まぁ…何とか…」
「じゃあ今から連れて帰って…」
「駄目です!」


そう言われて…いつもの自分じゃないように大人しくした
それは自分自身ためでもあって、蒼のためでもあったから

医者からは“毎日ここに顔を出してもらって、貴方に慣れたら退院していいですよ”と言われた。
医者に言われた通りにする僕。

多少僕のプライドは傷付くかもしれないけど、彼女の為にも我慢した


翌日、僕は彼女のために顔を出した





「蒼…」

「あ、昨日の…」
「雲雀恭弥」

「ひば…り?」
「うん。恭弥」

「きょう…や」
「そう」
「雲雀さんだね!よろしく!」


彼女にとっては“覚える”っという事は大変で、それが出来たのが嬉しくてなのか、僕に笑顔を向けてくれた。


「雲雀さんは…モテるの?」
「いきなり…どうしたの?」
「雲雀さんって、かっこいいし…」

「モテないよ」
「えっ?」

「群れたら咬み殺す…とか言ってるからだと思う」
「…でもかっこいいよ?」
「こんな恐い人が?」
「外見恐い人でも心が優しければかっこいいんだよ」


こんな言葉を聞いたのは久しぶり。
蒼に初めて会った時に言われた言葉もそうだっからだ。

















































──────────………





僕が15歳で蒼も15歳の時。
蒼を授業サボって屋上に来て…


「君…授業中だよ?」
「雲雀さん…雲雀さんも言えませんよ?」
「僕は何でも出来るからね」
「えぇっ?!ずるーい」


僕は彼女の度胸に驚いた
今までそんな風に逆らった者は居ないからね


「ところでなんですけどー…雲雀さんってモテますか?」

「は?」
「は?じゃなくて…モテますか?」


「…モテないよ」
「えぇっ?!」

「群れたら咬み殺す…とか言ってるからだと思う」
「…でもかっこいいよ?」

「こんな恐れらてる僕が?」


「外見恐い人でも心が優しければかっこいいよ」


誰にも言われた時のない言葉
蒼から言われて初めて嬉しくなった言葉

胸が痛くなった。
今までにない痛さ。

戦いの傷よりちょっと痛い

こんな思いをしたのは蒼のせいだからだ

どうしてくれるんだよ。
僕が僕じゃなくなってしまうよ

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