DEAD PERSON REVIVE
第2話『2ヶ月後』
―2ヶ月後―
まだ昼間だと言うのに、街を歩く人々の影は消え、そこはまるで戦争でも起きたかの様な悲惨な廃墟の街へと化していた。
窓ガラスは割られ車は潰れ、そしてその全てに血がこびりついている。
その場所で一体何が起きたのか……辺りには食いちぎられた様な犬や猫など更に人間の死体までもが散らばっており、その死臭が街に充満していた。
もうとても人が住める状態ではない。
しかし、そんな死の街を歩く、1人の男がいる。
その男は猟銃を両手にしっかりと持ち、辺りを見渡しながら街をさ迷う。
見たところ30代半ばで体つきはしっかりしている。
この男の名前は山瀬 平太郎。
この物語の主人公だ。
――――
暫く歩いていた平太郎が、ふと足を止めた。
そこは元某巨大スーパーが有った所だ。
しかし今はそのスーパーも廃墟と化しており、当時を見る影は無い。
しかし平太郎はそのスーパーのガラス窓をぶち破り、中へと侵入した。
中は暗く人の気配はない。
平太郎は持っていたライトを照らしながら、何かを探している。
外側から見れば廃墟だったスーパーだが、中に入ればそれなりに一通りの商品はしっかりと棚に置かれていた。
それらを物色しながら歩く平太郎だが、探している物と違うのか中々商品を取ろうとしない。
そして暫くスーパーを練り歩き、そしてある所で足を止める。
目の前には缶詰めコーナーが広がっていた。
目当ての物を見つけたのか平太郎は、持っていた袋に缶詰めを詰め込み始めた。
袋一杯詰め込み、満足そうな平太郎は、そのまま酒コーナーにいきウイスキーを手にした。
其を嬉しそうにポケットに入れると、もう用は無いのか出口の方に歩き始めた。
しかし酒コーナーはスーパーの一番奥にあり、出口までの距離は長い…。
缶詰めが山の様に入った重い袋を引きずる様に出口を目指す。
その時………誰もいないはずのスーパーで突如音がした。
ガタンッ!!
その音はスーパーの奥の酒コーナーの更に奥、このスーパーのスタッフルームの中からであった。
その音は自然に作り出せる音では無い。
何かが物に当たった音…。
平太郎は缶詰めの袋を慌てて放し、片手に持っていた猟銃をスタッフルームの扉に向かって構えた。
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