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DEAD PERSON REVIVE
第4話『響く銃声』
その目は確実に平太郎を捉えた。
その目は冷たく、全てが黒色に染められ瞳孔は開いたままであった。
元は人で有っただろうこの男。
しかしその影は最早何処にもない。

そして男は口を開き、歯と言うよりは硬い物をかじり削り尖った牙のような歯を露にした。
その口からはヨダレが垂れ、それはまるで餌でも見つけた猛獣の様な状態であった。


餌……


そうその異形の物からしてみれば平太郎は餌なのだ。

しかしそう易々と食べられる別にいかない平太郎は銃を握り締め指をトリガーに掛ける。

一瞬の緊張…

そして照準を頭に合わせ、一気にトリガーを引いた。

バァァァンッ!!

響き渡る銃声

刹那、音と共に弾が弾け飛び、異形の物を捉える。



ッ――――



衝撃音の先、男はそこにいなかった。弾は床に当たりそこに小さな穴を開けている。

姿が消えた……。
余りにも早い人間離れした動きで弾を交わしたのだ。

しかしそれと同時に平太郎も走り出していた。
当たったかどうかなど確認すらしていなかった。
撃ったと同時に走り出し周りに目もくれず出口に向かって全力で駆ける。
途中先程取った缶詰めを拾ったが走る勢いで次々と落ちている。
しかしそれすら気にせずただ出口に向かい走る。



その後ろだったッ!!

先程の男が棚をぶち壊しながら、地面を這うように平太郎を追いかけてくる。

その速度は人間のそれとは比にならないほどの早さだ。

そして平太郎の直ぐ後ろまで追い付いた。

平太郎は走りながら片手で銃を構え、男に向かって発泡する。

バアァンッ!!

バアァンッ!!

一発二発、その弾は男の肩と腕を捉えた!!



が!!しかし男は少し怯んだだけ。また直ぐに体勢を整え追いかけてくる。

「くそッ!!頭じゃなきゃだめか!!」

平太郎の無念の叫びをよそに、その速度は落ちることなくまた平太郎を間近に捉えた。

そしてそのまま勢い良くジャンプし、平太郎に飛び付いた。

しかし平太郎も共にジャンプしていた。

その先の窓ガラスに向かって…。






ガシャーーンッ!!






ガラスの破片が飛び散るその間からまるで映画のワンシーンの様に両者が窓を割り、外に飛び出た。

その勢いで転がる体を平太郎は銃を地面に押し付け勢いを止める。
男はそのままの勢いで道路に突っ込み廃車と化している車に突っ込んだ。



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あきゅろす。
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