[携帯モード] [URL送信]

DEAD PERSON REVIVE
第3話『その正体は?』
構えた猟銃は扉を捉える。
銃を握り締める手から汗がじわりと滲む。
額からは大量の冷や汗、そして激しく鼓動する心臓。
それらはその先にいる者に対して向けられる恐怖の証であった。


平太郎が見つめる先、取っ手が無いスタッフルームの押し扉が静かに開く。


銃を持つ手に緊張が走る。
フッフと荒くなる呼吸を抑え、ガチャッと銃の照準を扉から出てくる者に合わせた……。





「ニャ〜」






「ね……こ……??」


その扉から出てきたのは黒色の猫であった。

その猫をみて緊張の糸が切れたのかヘナヘナと膝をつく平太郎。

フ〜と息を吐き自分を落ち着せる。

猫は何事も無かったかの様に平太郎をみる。
そして悠々と歩き平太郎に近づいてきた、その時だった!!!



ガタンッ!!!!




音と共に先程猫が出てきたスタッフルームの扉が勢い良く開き、何かが猫に飛びかかった。

そしてそのまま転がりながら棚に突っ込む。
猫の悲痛な鳴き声が響き渡り、一瞬の内にまた静寂の世界へと戻った。

平太郎は口を開き、一瞬の出来事に唖然としていたが、我を取り戻し銃を握り締める。

そして立ち上がり猫と何かが転びこんだ所を目指す。

暗闇の中からグチャッグチャッと言う奇妙な音が響き渡る。

その音のする方に銃を構え………そしてライトは其を捉えた。





そこには体中血だらけの男がいた。

猫を必死でむさぼっており、平太郎には気付いていない。

肉は腐食し、硫酸でもかけられたかの様な異形な顔。
そして頭蓋骨が剥け脳味噌の一部が露になっている。
それでも動いているこの男は最早人間ではない。
映画や漫画などに出てくるゾンビその物であった。




暫くその無惨な光景に硬直していた平太郎だが、このままでは我が身が危ないと思ったのだろう。
猫をむさぼる男に気付かれないように、静かに一歩後ろに下がった。
銃は頭に向けたまま更に一歩、又一歩下がる。
気付いていない様だ。
自分を必死で落ち着かせまた一歩下がる。


しかしそこで今まで猫をむさぼっていた男が急に動きを止めた。

それに伴い平太郎も足を止める。
先程までむさぼりついていた猫は跡形もない位食い付くされている。

平太郎の額に冷や汗が滲む。
それはこの状況が余りにも危険と言うことを瞬時していた。




そして男は……ゆっくりと此方に目を向けた。

…ライトが目に直接当たっているのにも関わらず瞳孔が開いたままの目が、ギョロッと平太郎を捉えた…………

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!