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秘 密
act.2
人当たりのいい俺と、素直で明るい弘の周りにはいつも人がいた。

みんなでバカ話して盛り上がったり、笑えるイタズラを仕掛けて喜んだり。
去年のクラスはいまいちこういう盛り上がりに欠けていたから余計に俺は毎日ご機嫌だった。

いつの間にかクラスでは俺と弘はセットという認識になって、一緒に行動するようにもなっていた。



「けーーーーん!」

遠くから自分の名前を叫ばれながら駆けてくる騒がしい気配に、廊下を歩いていた俺は苦笑して振り返った。

「こらこら、廊下は走っちゃいけません」

やっと追いついたその姿に、俺は軽く額を小突いて笑った。

弘は額を撫でながら、その後満面の笑みで笑い返した。

「次の美術は教室でやるって。だから急いで呼びに来てやったのに。お前の足が速いから悪いんだぞ!」

「え? そなの?」

どうやら美術室に行こうとしていた俺を、急いで呼び戻しに来てくれたらしい。

「いやー、俺の足長いからさ。まぁサンキュー。美術室で待ちぼうけするとこだった」

いつものように頭を撫でてやると、弘はくすぐったそうに俺の手から逃げた。

こらチビ扱いすんなと笑いながら。



かわいいなぁ、ほんとに。



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