[
通常モード]
[
URL送信]
空色の紙で短編集
本編3
あのとき僕は、君が飛べもしない蟻になぜなりたいのか、どうしても解らなかった。
けど、魂が去った後の蝉に群がるコイツらを見ると、君が何を考えていたのか解りそうな気がした。
“蟻ぐらい小さくなれば、すべてが大きく見えて、光と陰の間が何色なのか、きっと見えるんだわ。”
ちょうど去年の今頃、北へと引っ越した君を思い出しながら、誰に向けるわけでもなく僕は唱える。
「光と陰の間は、何色ですか。」
-END-
[前へ]
[次へ]
[戻る]
[
小説ナビ
|
小説大賞
]
無料HPエムペ!