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「失礼します」
「藤堂君!待っとったよ」
ノックをして入ると、理事長が笑顔で迎えてくれた。
白髪の少し腰が曲がったおじいさんだけど、しっかりしてるし、優しい。それに理事長はほんわかしてて、癒される(萌えとは別だよ!)。
和んでる俺に理事長はにこやかに口を開いた。
「今日呼んだのは転入生のことでの」
ちょ、転入生ktkr!!
現実!?とか何故この時期にとかいろいろ思ったけど一つだけ。
神様ありがとぉぉおお!!!!
「わしの孫なんじゃが、今日来る予定で…案内してあげてくれんかね?」
「…でも、どうして俺を?」
案内するなら会長とか書記とかとにかく俺以外の生徒会がいるだろう!
「神宮寺君に頼むのは心配じゃし、わしの孫も跳ねっ返りじゃから、他の人じゃ相手ができそうになくてな。その点、藤堂君なら安心なんじゃよ」
「…はぁ」
神宮寺というのは生徒会長の名前だ。会長らしく、俺様で鬼畜眼鏡。確かにあの会長に頼むのは危険だ。それに他の奴らも大概非常識だから不安が募る。
やっぱりここは常識人の俺の出番か。
「案内、してくれるかね」
「わかりました」
キラッ☆と爽やかに返事をする。
案内をするのが俺なのは少し不満だけど、転入生の顔をいち早く見に行きたいからね。
俺がこたえたら、理事長は笑顔になった。雰囲気がふんわりしていて、癒される。
「わしはこれから出かける予定があるから…校舎を適当に回ったら、寮長のところにつれて行ってあげてくれ」
「はい」
その後理事長と世間話を少しして、理事長室を出た。
やっぱり理事長は癒しだ。その孫というからには同じ系統なんだろうか。癒し系や天然とか。何それ、萌える。
にやにやしそうになる顔を無理やり引き締め、俺は転入生に会うために歩き出した。
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