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宿命なんて (Z)

「レノ!」



「ん?
オマエか、と。
久しぶりだな」


「レノ、説明して!」


「何をだぞ、と」


「追ってるんでしょ?
セフィロスのこと、‥それから‥」


「アバランチ、か‥」


「あれは、クラウドなのね?」


「さぁな」


「答えてレノ!」


「‥‥クラウドはともかく、英雄様のことなんかは科学部門のオマエのが詳しいだろ、と」


「そうね。
英雄様が英雄であるためのデータに、クラウドの実験データ。サンプル。
全て腐った宝条の宝物の情報の数々ならね」


「‥‥悪かった。
だが、聞いたっていいことないぞ、と」


「覚悟なんて今更。
なかったら科学部門のスパイ任務なんて引き受けないわ」


「そうだったな、と。
‥‥セフィロスが再び現れたのは知ってるだろ?」


「宝条が大喜びしてたからね」


「そんで、
クラウドがセフィロスを追ってる」


「クラウドは無事だったのね」


「中毒も治ったみたいなんだがな、と」


「良かった‥」


「あいつ、ちょっと
おかしいぞ、と」


「おかしい‥?」


「立ち振る舞いがな、
まるでザックスなんだぞ、と。
しかも、ザックスなんて知らないって言い張りやがる。きっとオマエのことも怪しいな」


「魔晄中毒の影響で記憶が?」


「そうとも言えないぞ、と。
セフィロスのことはしっかり覚えてるらしい。
そんなんだから、精神状態が良いとはとても言える状態じゃなさそうなんだぞ、と」


「‥‥セフィロスのことだけ‥」


「お、科学者らしいな」


「からかわないで。
‥私は、今は任務とはいえ、タークスじゃないから自由に動けない。
だから。レノ、‥代わりに‥‥」


「‥わかったぞ、と」


「‥‥‥ありがと」


「そんな泣きそうな顔するなよ。タークスだろ、と」


「‥うん」


「泣くなら胸貸してやろうか」


「うん‥借りとく」


「嘘!?マジで?」


「‥‥ねぇレノ。
なんでセフィロスとクラウドが戦わなきゃいけないの?」


「‥ケイト」


「なんで、ザックスがいないの?」


「‥‥」


「なんで‥、あの頃の私たちの時間は‥」


「わかってるだろ。
‥もう、やめろよ‥。
巻き込まれちまったんだぞ、と。この星丸ごと、運命とか、宿命ってやつに‥」


「‥‥でも、いやなの」


「‥ああ、」


「嫌よ」


「うん‥」


「例え彼らが、運命を受け入れたとしても。私だけは‥。
‥私だけは‥‥絶対に‥」


「‥そうだな、と‥」







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