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ジェネシス (G)
タークスとしてまだスタートして間もない今日。大きな衝撃を受けた。
今まで、数人のソルジャーやタークスとミッションをこなして来たけれど、こんなミッションは初めてだ。
モンスターの討伐ミッション。
このミッションで同行したのは、一人のソルジャー1st。
初めて目の当たりにするソルジャー1stの実力。
洞窟内に大量発生したモンスターを、あっという間に制圧する彼の遥か後ろで、私は、ただ見ていることしかできなかった。
「援護など必要ない。巻き添えをくらいたくなければ離れていろ」
と、彼の背中が言っているようにも見えたが、言われずとも、私は彼の戦いに圧倒されるばかりで見失わないようについて行くことで精一杯だった。
初めて感じる歴然とした、差。
―‥こうして、彼がミッションを終えた後、洞窟の最奥から確認作業のために隅々まで見て回ると、彼の凄さが再確認できる。
これだけの広大な洞窟内を、たった1時間ちょっとで。
強いだけではない。
無駄が、ない。
ああ、この溜め息は焦燥か、嫉妬か、自嘲か、‥畏怖か。
やっと太陽の光を眩しく感じる出口に近いたところで、微かに人間の声が聞こえた。
「―‥どりつきたる願望は わが救済と 君の安らかなる眠り」
これは。
知ってる。
「「約束のない明日であろうと‥」」
彼は洞窟の入口近くの木のそばに座り込み、本を開きながら詩を暗唱していた。
「ソルジャー・ジェネシス」
「‥‥‥確認は終わったのか」
「はい、お待たせしました」
ふい、と視線が外されて本に落とされる。
「新人だという割に、意外と早かったな。
まぁ、もう少しゆっくりしてもいいだろう。ここの空気はミッドガルでは味わえないのだから」
「‥はい。
あの、先程のは‥LOVELESSですよね?」
いつも読んでいたのはこれだったのか。
聞けば、ふわ、と微笑を返されたが、
また再び彼の視線は本へと戻った。
「君よ 因果なり‥」
森の中で、LOVELESSの暗唱に耳を傾けながら、
そういえばザックスがソルジャー1stの連中は一癖も二癖もあるぞと言っていたけど。まともそうに見えたアンジールも、実はそうでもないのかもしれない、と。
そんなことを考えていた。
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