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ff
似た者同士
「絶っっ対イヤ!!
誰かと代えてくれるまで仕事しないから!
スコールの馬鹿!」


まるでリノアか、って少し思う。
というか‥あれは誰だ。
本当にケリーか?
彼女はそれだけ叫ぶと、思いっきりドアを閉めて出ていった。

‥‥ドアが壊れるから止めてくれ。
全く‥頭が痛い。


「‥‥‥‥」

俺は、ため息を一つ吐き、
自分のデスクへと戻った。

キスティスの視線が痛かった。



「‥‥‥‥なんだ」

そう問えば。
さっきの俺のよりも大きなため息が室内に響いた。


「『任務くらい私が代わってあげるのに』って。
私が言うことくらいわかってるわよね」

「‥‥‥‥」

「ケリーが、どうしてその任務をやりたくないって言うのかも、わかるわね?
‥だから‥わかるからこそ、あなたは気に入らない」

「‥‥何を‥」

「リノアから聞いたわ。
『いつの間にか私達は、違うものを見るようになってたの』って。
わかりやす過ぎるのよ、あなた。ケリーで頭の中いっぱいなんでしょう?」

「‥別に」

「ふーん?
なら任務、変えてあげなさいよ」

「‥‥‥‥」

「ラグナさんにケリーを取られそうで嫌なのね?」

「あいつに聞いたのか?
俺達のこと。
‥リノアも‥知ってるのか?」

「少なくとも、気付いてるわね。
『私のせいかな?私がスコールをちゃんと見てなかったから?
どうしよう、昔のスコールみたいだよ。
もう、私じゃダメなのかな?』って泣きそうに言ってたわ」

「‥‥俺とリノアは別れた。
関係ない」

「はいはい。
わかった。もう言わない」

「だが、ケリーとも付き合ってる訳じゃない」

「あら、違うの?」

「自分達は『信頼』で結ばれた関係で『恋人』じゃないと言われた」

「‥はぁ?
本っ当、不器用ね、あなた達」

「悪かったな」

「スコールはリノア。
ケリーは‥‥。お互いちょうど良いのかしら。
ねぇスコール?
私がスコール研究家って自負していたのはね、ケリーのおかげなのよ」

「‥‥は?」

「あなた達って良く似てるの。
だから、同じものが欲しいのよ。
あなたとケリーの違いはね、あなたは自分の中に篭ってたけど、彼女は自分を消したこと」

「なんだそれは?」

「スコールの心を開いたのがリノアだったように、
ケリーにも、自分自身の姿を気付かせてくれた人がいたのね」

「‥‥それが‥」

「この先は、ちゃんと本人から聞きなさい。
ほら、さっさと行く!
私はあなた達の分の仕事をしなきゃいけないから忙しいのよ」

「‥‥‥ありがとう」

仲間、という存在に
素直に感謝できるようになった自分に安堵した。








「じゃあ、私は来月は代わりにドールで任務ね。
良かったわ。‥ラグナさんが来るといつも大騒動なんだもの‥
今回は更に荒れるわね。
シュウが可哀相。‥‥一緒に連れてってあげるべきかしら」






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