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いろいろ
ラプンツェルB

鬱蒼とした森の中。通い慣れてきた塔への道。

俺はあれから、何度もこの道を通った。
囚われの少女に会うために。



しかし、
いつも俺が一方的に喋ってるだけで。
まだ彼女の身の上話‥教団の裏側に関わってるだろう話を聞けてはいなかった。

それが、ここへ通う理由で目的だけど、俺は不思議と焦ってはなくて。
ここへ来ることを許して貰ってるだけ(あまり良い顔はしないけど)良いだろうし。なんて楽観的に考えていた。




(‥あれ?
カギが開いてる?)

塔に辿り着くといつも厳重に施錠されてる鍵が開いていた。

(誰か来てるさ?)

鉢合わせしたくはないので結局、いつもの窓の下へ向かう。
悪いなと思いつつも、好奇心に負けた俺はイノセンスを使ってこそこそと窓から部屋の中を覗くことにした。


(‥あれは、‥リーバー?)

間違いない。科学班のリーバーだ。コムイの部下の。

だけど、
リーバーがいることよりも、驚いたのは。

(‥‥笑ってる‥さ‥)

小さなテーブルに向かい合って座ってる2人。
リーバーは穏やかに笑って話していて、少女は遅めの昼食を食べながらリーバーの話を聞いて笑っている。

俺は、少しの間その様子を見ていたけれど、すぐに引き返した。


ショックだった。
なんかよくわかんないけど、ガツンときた。

あんな風に笑うんだな、とか。
楽しそうだったな、とか。
お似合いに見えたな、とか。
てか、笑顔可愛い、とか。

俺には絶対見せてくれない姿。


(‥なんか‥ヘコむさー‥)

なんだか、恋みたいだ。


(ん?恋?)

ないないない。
俺はブックマン後継者。
私情‥ましてや恋なんて駄目だろ。

でも、リーバーと一緒にいる彼女を見て心が苦しいのはなんでだ?

名前も何も教えてくれない彼女のところに何度も足を運ぶのはなんでだ?

俺も、あんな風に笑わせたいと思うのは?


「ラビ?」

「ん、リナリー?どしたさ」

「なんか考え事?
難しい顔してたわよ」

「科学班のごじゅうろくって人間?とか考えてた」

「ごじゅうろく?
違うわよ?知らなかったの?」

「ぅぉ!?そーなんさ?」

「それよりラビ、
これから皆でお茶する予定なんだけど、来ない?」

「みんなって?」

「兄さんと、ジョニーと、神田は今から引っ張って来るつもりで、それから‥」

「楽しそうさね♪」

「でしょ?
あ、あとブックマンとリーバーさんも」

「‥じじいもか」

「うん、ラビもきてね」

「悪い。
俺行くとこあったわ。また今度誘って?
ごめんな!」



俺は走る。
だってだって。

(あー!もー!
やっぱり会いたいんさ!)

ヤバイ。恋、かもしんない。


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あきゅろす。
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