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g.long
桜・坂田

「ねぇ、銀さん
見て。桜が満開」

「おっ」

「ね?すごく綺麗」

「団子の出店発見。食ってこうぜ」

「そっち!?
‥‥‥本当、花より団子ってか‥そのまんま」

「おごりな、お前の」

「‥なにそれ‥。
あっ、今日みんなでお花見しようよ。
ほら、山崎さんもミントンしてるし。きっと場所取りだよ」

「山崎?誰それ。ああ、ゴリラ組のジミーね。
今日は無理だろ。神楽と新八は今日はお妙んとこだ」

「そっか。
‥‥明日は?」

「仕事」

「明後日は?」

「‥そんなに花見したいわけ?」

「‥‥‥桜って1年に1回しかお花見出来ないんだよ?」

「そうだな」

「生きてる間に、この桜を一体何回見られるんだろうかって‥考えたりしない?」

「何、そんなこと?」

「‥そんなこと‥って」

「単純だな、全く。
1年に1回なんてだいたいの花がそうだろうよ。
何も桜に限ったことじゃない。桜以外の花の皆さんに失礼だろ」

「それは‥うん‥」

「それにな、花見なんてわいわいやりゃーいいってもんでもねぇ。
大事な奴と一緒に美しいもん見りゃあ、十分良い思い出になんだよ」

「‥うん」

「桜の花見だけじゃねぇ。
どんなもんでも、忘れられない思い出になるんだ。
俺なんかなぁ、甘いもんがあってお前がいたら十分。
1年に1回どころじゃねーぞ?
お前は、俺がいても桜が咲いてなきゃ思い出になんねぇのか?」

「‥そんなこと‥ない」

「まァ、せっかくだから、
ついでに酒でも飲んでくか。お前のおごりな」

「‥やられたな。
いいよ、好きなだけどうぞ」



数えきれないほどの思い出を

一緒に作っていきたいよ


たくさん、たくさん

ずっと、2人で





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