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g.long
今日、桜が散った。


今年も相変わらずいつものメンバーで花見だった。


強いて言えば、ヅラから花見に誘われたのがイレギュラーだったかもしんない。
(もちろん、即答で断った)

むさ苦しい野郎達と酒飲んで楽しいわけがねェ。
‥と思ってたのは、いつまでだったか。


結局。

今年も真選組のバカ共と酔い潰れてんだから俺の人生もたいがい悲しいもんだ。









「お、これって今話題のイチゴ饅頭じゃねーか!
ヅラにしては気がきくな」

「ヅラじゃない!桂だ!
‥全く。あんな幕府の狗の集団などと仲良く花見など‥有り得んぞ銀時!」

「へーへー。
手土産の饅頭は有り難く頂いとくから早く帰んなさい、指名手配犯の桂君」

「桂じゃない!ヅラだ!
‥あ、間違えた」

「ただのバカだろ‥」

「バカじゃない!桂だ!」

「へーへー。
そんで?今日は一体何の用?」

ヅラが来るならおとなしく定春の散歩について行くんだった。
どうせ持ち込まれんのは面倒だけだ。

「辰馬から依頼だ」

「辰馬ァ?」

「ああ。花見の場所取りを頼みたいそうだ」

「花見ったってもう散り始めてるじゃねーか」

「だから急いで地球に戻って来るらしい」

「‥‥断る」

「場所取っといてくれたらついでに一緒に花見しようって言っておったぞ。好きなだけ飲み食いして構わないと」

「断る」

「何故」

「めんどくせぇ」


「花見は嫌いか?」

「嫌いじゃねーが、好きでもねぇな」










『ぎんときは、桜似合うなぁ』

『似合う?』

『うん。なんてゆーか、そっくりや』

『毎度ながら、意味わかんねー』

『ははっ。
簡単に言えばな、あたしは桜とぎんときを見るのが好きってこと』




「まだ、お前の中では思い出になっていないのか」

「‥‥お前は、思い出にできたのかよ?」

「‥‥‥‥‥‥悪かった。忘れてくれ。
辰馬には俺から断っておく」





花見は嫌いじゃない。
好きだったさ。





2011.05.06.

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