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g.long
今日、風邪で寝ています。




朦朧としてる中、ひんやりとしたのがわかって少しだけ意識が浮上した。


「まだ熱下がらないわね」


女の声。

夢の続きかと思った。


「いつもいつも‥‥お前は‥また‥びちゃびちゃのタオル‥乗っけんじゃね‥」


「いつもってどういうことかしら?銀さん?
私が新ちゃんの代わりに看病してあげてるっていうのに。
定春はおとなしく寝てるから良くなってますよ、銀さんと違って」


後から思えば、お妙だったんだろう。



「‥うっせ‥。かんびょ‥んて、頼んでね‥つの。
どっかいけ、よ。また、うつる‥だろ」


「‥‥また?っていつのことです?」


多分、俺はお妙のことをあいつだと思ったんだろう。

繰り返すが、朦朧としててよく覚えてない。

ただ。またあいつの夢だと思ったのは覚えてる。













『‥‥‥‥‥夢乃?』

『あ、起きた?薬、先生からもらってきた。飲める?
てか、本当に熱あったんか。
ぎんときが風邪ひくなんて笑えるわぁ。やっぱり、バカは風邪ひかないけど、夏風邪はひくって本当なんや』

『‥‥うっせ‥』

『うわ。弱々しい!
ウケるの通り越してきしょい!』


『‥‥‥‥どーでもい‥けどよ、‥ちゃんと絞れ』

『えー?
さっき先生に「絞り過ぎて渇いたタオルおでこに乗せても熱は下がりませんよ」って言われた』

『‥言われた、じゃねーし‥‥水‥まくらまで垂れて‥びちゃびちゃだっつの』

『冷たくて気持ちいいっしょ?』

『‥‥どうなんだ‥それ』



結局、俺が寝込んでる間にあいつもうつって。
並んで寝込む羽目になった。



『健康管理がなっていないな、銀時!夢乃も看病してうつされるとは鍛えが足りんな。
高杉から伝言だ。「さっさと治せ。俺にうつすな」だそうだ』

『‥うっさ‥ぃわ』

『‥ヅラも高杉も、絶対風邪ひかないだろうよ』

『うむ、健康管理が出来ているからな』

『ちげーよ、真のバカだから‥風邪ひかねーんだよ』

『ぁたしも‥そ‥思う』

『どういう意味だ、銀時?夢乃?』

『お気になさらず』

『‥‥ぎんとき、だめだ。あたし‥目が、ぐるぐるする』

『熱上がったんじゃねーの?
ヅラ、タオル替えてやれよ』

『うむ』

『‥ぉねがいー』

『‥‥‥‥てか、ヅラ。』

『なんだ。銀時』

『タオル絞ってやれよ。びちゃびちゃだろ』

『何を言う。これで良いと先生はおっしゃったぞ』

『そ‥だよ、ぎんとき。
びちゃびちゃで‥気持ちぃし』

『いやいやいや。おかしいよ?
俺、それのおかげで溺れる夢見まくったからね?』

『それは大変だったな』

『てめっヅラァ!
言ってるそばからびちゃびちゃタオル乗せてくんじゃねー!
俺はもう必要ねーんだよ!もう微熱なんだよ!乗せんならせめて絞れ!』





あいつが乗せてくれたタオルに安心した。

あいつも寝込んだ時は心配したけど、お揃いみたいで、実は嬉しかった。

俺が風邪ひくとあいつが。
あいつが風邪ひくと俺が、看病して。必ずってほど、うつされて。
それが結構楽しみだったなんて。
あいつに言ったことなかったけど、一度くらい言っとけばよかったかなと思ったりするんだ。




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