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g.long
今日、寄り添って昼寝を。


「行ってくるアル」
「行ってきまーす」

銀ちゃんも定春もいい子にしてろヨ、だぁ?
神楽のやつ、俺をなんだと思ってやがる。



神楽と新八はお妙んとこに泊まり。
まァこれで明日まではうるせーのがいないってわけだ。
どーすっかな、飲みに行くか?

んー、とりあえず、昼寝でもすっかな。
布団で寝ても、煩く言ってくるやついねーし。



「ん?なんだ、お前も寝んのか?」

「わんっ!」

布団に潜りこもうとすると珍しく定春が寄ってきた。
神楽がいなくて淋しいとかか?

「犬と添い寝とはな。しょっぺーよ。
今日だけだかんな」

「わんっ‥‥‥〜〜〜〜っ」

あーあ、でけぇ欠伸だよオイ。
相当眠いみてぇだな。


それにしても犬と寄り添って昼寝ね。
確かにあったけぇな。
懐かしいけど、出来れば思い出したくなかったよ。


「お前が犬でよかったよ」

「くぅん?」

「こっちの話だ。気にすんな」










あいつは猫が好きだった。

猫の方があいつを好きだったっつー方が正しいかもしんねーが。

あいつにはどんな猫も懐いた。


あいつに寄り添って昼寝する猫に俺達ァしょっちゅう嫉妬してたな。














「‥‥‥‥‥‥‥」


え?朝?

昼寝、じゃなかったっけ?


マジでか。




「定春ー、起きろ。びっくりなことに朝だぞ」


「‥‥‥‥ニャア‥」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥は!?」


「ニャアニャアン!」


「待てよ?犬はワン‥‥だよな。ニャアって‥なんで!?」


俺のせい?
俺が猫のこと考えて猫の夢みたせい?
違うよね?誰か違うと言って!













「でもよかったですね、定春がただの風邪で」

「おどかしやがってコノヤロー。ただの風邪でなんで犬がニャアって鳴くんだよ」

「不思議ですよねぇ。
犬がニャアって鳴く風邪なんて」

「世も末だね、全く‥‥っくし」

「銀さんも風邪ですか?」

「んニャわけ‥‥ニャい‥」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥銀さん?
なんかものすごく寒いんですけど。痛いですよ、カナリ」

「‥‥ニャア‥」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥この風邪人間にも移んのォ!?」






俺も猫になりたいと思ったのは、

過ぎ去ったあの頃のことです。




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