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最強ツンデレの敗北
タ.誰が信じられる?

五代目様からの呼び出しがあった。
綱手様には一昨日、ナルトと報告に来て会ったばかり。
温かく微笑む方だ。


「ユメ、こちらが奈良シカマル。今回の中忍試験で合格した中忍だ」

「‥よろしくっす」

「眠利ユメです」

この間の中忍試験で合格したのは彼だけか。

「今、里は人手が足りん。
本当はお前にはゆっくりさせてやりたかったのだが、早速任務に行ってもらいたい」

「はい!」

「任務としてはCランクだが、お前の他は中忍を出払っていてな。シカマルに中隊長としての仕事を教えてやってほしい」

「私で務まるのでしたら」

「上忍との高ランク任務以外にも中隊長として幾つか任務をこなしているだろう?
頼む。なんだったらナルトを連れて行っても構わん」

まさか。
全く。五代目様は相当ナルトに甘いらしい。
奈良シカマルは疑問だらけって顔をしている。

「任務は任務です」

「まあそうだな。
では任務を言い渡す。
眠利ユメ、奈良シカマル両名は、これより盗賊の偵察に向かえ」

「「はい」」

「ユメを隊長とし、任務は4マンセルで行う。従って残り2名は里に残っている下忍の中から連れて行くように。任せる。
それから、本任務はあくまで偵察。報告を待ち、対処を考える。
くれぐれも自分達でなんとかしようなどと考えるな」

「「はい」」











「奈良シカマル君。」

「奈良でもシカマルでもどっちでもいいっすよ」

「シカマル。連携が取りやすくて偵察と情報収集に向いている仲間は思い当たる?」

「イノっすかね。‥チョウジも連携は取りやすいが」

「じゃあ1人はその人で。
他には?」

「他‥鼻の効くキバや白眼のヒナタ‥でも、連携って意味では‥」

「私からは日向ネジを推薦するわ。白眼なら」

「ネジすか」

「私との連携は取りやすい。
‥昔はよく一緒に修行したの」

「五代目が言ってたナルトはいいんすか?」

「どう考えてもこの任務にナルトは無謀でしょう。偵察よ?
それから。無理して敬語使わないで」

「あ、どうも」




班員を集め、私はすぐに出発した。
里はただでさえ人手不足。
素早い解決が求められる。


出発してすぐにわかったことは、ネジはこのシカマルとイノ、2人と面識があり、親しげだということ。
任務説明と簡単なフォーメーションの確認をして盗賊のアジトと思われる場所への移動中にそれとなく尋ねることにした。
例えネジであっても、任務中に私的な会話を交わすことなど私は今までなかったのに。
リクさんとスイさん、2人との任務から私は変わった気がした。

「ネジ。2人と知り合いなのね。もしかして、彼らの学年と仲良いの?」

「‥‥‥仲良いつもりはないんだがな」

「ええ?
ネジさん、あたし達と仲良いじゃないですか!ヒナタはもちろんだろうけど、特にナルトとか!」

イノの言葉にネジが眉間にシワを寄せた。

「あら、そうなの?」

ネジが、ナルトと。
以前のネジならありえないだろうに。
ちょっと茶化すと眉間のシワが更に寄った。

「まさか、気のせいだろう」

「ネジさん、目が泳いでません?」

「はは」

ずっと黙っていたシカマルもいつの間にか笑っていた。

「あたし、ユメさんと一緒に任務ができるなんて、本当に光栄です!」

「え?」

「あたしのことは覚えてないと思いますけど、あたしアカデミーからずっとユメさんに憧れてましたから」

「アカデミーからずっと?」

「はい!うちの学年ではユメさん、すごい有名で。‥あ。
そっか。今回はNo.1ルーキーだったネジさんも一緒なんだ。すごい!夢みたい」

「私‥なんにも知らなかった」

「だろうな。
お前は他人に興味無さ過ぎる」

ネジの指摘には苦笑するしかない。

「本当そうだわ。
私は何も見ようとしてなかった。きっと大事なものをたくさん見落としてきたのね」

「‥どうした?やけに素直だな」

「そういう時もあるわ」

「雪でも降らなきゃいいがな」

「ネジ!」

私の抗議に笑ったネジだけど、
その笑顔が少し寂しそうに見えたのは思い過ごしだったのか。


「‥‥‥ネジさんとユメさんて、仲良いんですね」

「ずっと一緒だったから」

「あのー、ナルト妬きませんか?」

だって、あのナルトだし。とイノが呆れたように少し目を細めて言った。

「さあ‥どうだろ?」

好きだとはっきり言われた訳でもないし、好きだと言ったのは私。妬くなんてないのでは。

「待て。何故そこでうずまきナルトが妬くんだ」

「は?ナルトがどしたよ?」

ネジとシカマルがそれぞれ反応する。イノがさらりと答えてくれるようだ。

「だって、彼女が他の男と仲良かったら妬くでしょ?彼氏ならとーぜん」

「「‥‥‥‥‥‥え?」」

あ。私とナルトが付き合い出したの、イノしか知らないのか。

「昨日のナルトったら馬鹿みたいに浮かれて自慢してたしねー」


後日世にも珍しいと語り継がれるだろう、シカマルとネジの驚愕の絶叫が森の中に響いた。



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