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最強ツンデレの敗北
ワ.わかってほしい。でも
あれから、私はすっかり寝込んでしまった。


しばらく風邪なんかひかなかったのに。

ゆっくり休め、とネジは言う。今までの分の精算だと思えば良いと。



今でこそ丈夫な私だけど、幼い頃は体が弱くてアカデミーをよく休んでいた。
ネジはそれを知っているから、とても心配してくれたし、いつの間にか看病というかご飯や買い物までやってくれていた。

「お母さんみたいね」と一昨日テンテンが来て笑っていた。

ネジは、良い奥さんにも、良いお母さんにもなれるわ。絶対。






「具合はどうだ?」

「‥ネジ‥おはよう」

「もう昼過ぎたぞ」

「んー‥もう随分良いみたい。
明日は任務行けるかも」

「馬鹿言うな。
3日は休めよ。ちゃんと休みもらっているのだからな」

「体が鈍る‥」

「体調戻す方が先だろう」

「‥ネジっておばあちゃんに似てきた気がする」

ネジは、まんざらでもなさそうに笑った。意外だった。



「復帰したら、五代目様との初対面だな」

「五代目様!?誰が!?」

「三忍の綱手様だ。
明日、式で正式に五代目になられる」

「え、明日!?」

「お前は欠席だからな」

「なんで!」

「まだ一日の大半を眠ってやっとやっとの病人がふらふらと人混みに出掛けるつもりか?」

「病人って‥私ただの風邪だし」

「風邪を甘くみるな」

「影分身‥」
「ユメ。」

「‥‥‥‥‥‥はい‥」

「おとなしく寝てろよ。
俺は任務があるから行くが、何か必要なものがあれば言ってくれ」

首を振って答える。
ネジは、じゃあなとまた優しく笑った。


「ネジ‥ごめんね」

「気にするな」

そう言われても無理だ。
本当にネジは優しい。

「‥そうだな、じゃあ今度ヒナタ様とハナビ様の修行に付き合ってくれないか?」

「日向本家の?」

「ああ。
くの一クラスで憧れていたらしいぞ」

「ヒナタさんが?」

同じくの一クラスでも学年が違うのに。

「お前は知らなかったかもしれないが、結構有名人なんだ」

「誰が?」

「‥もういい。またな」

ネジは本当に本当に優しい。










昨日、ネジからはおとなしく寝ているように言われたけど。

だって気になる。



「影分身の術っ」



「‥式典、見てきて」

分身が一つ頷いて出て行く。

「くれぐれもネジに見つからないで」

「わかってるわ。
怒られたくないもの」


怒ったネジはおばあちゃんより怖い。











しまった。

私(影分身)は今とても後悔している。

(本体が風邪ひいてるんだから、私も風邪なのよね)


家からまだ少ししか歩いてないというのに、明らかに‥明らかに


(‥ふらふらする?)



「ユメっ!?」

「ナ‥ナ、ナルト!?」

「式に遅刻だってばよ!
ん?オマエってば、どうした?
具合悪いのか?」

「大丈夫‥、私影分身だから」

「は?意味わかんねってばよ」

ナルトは少し考えた後、よし!と影分身をして、オマエほっとけねーしな!と笑った。

「だから‥、私影分身だから大丈夫って言ってるでしょ」

「そう言っても‥、じゃあ影分身同士なら文句ねーだろ」

頼んだぞ!と自分の分身に叫びつつナルト(本体)は、式に駆けて行った。




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