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最強ツンデレの敗北
カ.可愛くない私だけど

「で?具合大丈夫か?」

「ナルト、帰ってきてたのね」

「おう!綱手のばあちゃん連れて帰ってきたんだ!」

「そう‥ナルトが‥‥」

「って、熱いぞオマエ!熱あるってばよ!風邪か!?」

「さわんないで」

「ふらふらしてんだろ!強がるなって!」

「強がってない!」

「一人でちゃんと歩けねーくせによく言うってばよ」

「‥‥‥‥」

せっかく久しぶりにナルトに会えたというのに、私は何しているのだろう。

「こんなんじゃ式に出るのはあきらめんだな。
具合悪いって誰かに言っといてやるって‥」

「駄目!それは駄目!
私と会ったこと誰にも言わないで!」

「‥はぁ?」

「私、家で寝てることになってるから。起きて、しかもこんなところで体調悪化して‥」

影分身の特性上、術を解いた瞬間に確実に本体も具合が悪化してしまう。

「してたら‥なんだってばよ」

「‥‥ネジに怒られる」

「は?ネジってあのネジ?日向ネジ?」

「他にネジなんていないでしょう」

「なんでネジが怒るんだよ」

「おとなしく寝てろって言われたのに‥‥‥やっぱりちゃんと言うこと聞いておくんだった」

「よくわかんねーけど、ネジのヤツ、オマエの母ちゃんみたいだな」

ホントよね。私もそう思う。


「私、本当は式典こっそり見たかったんだけど、もういいわ」

「おう、ゆっくり休めってばよ!
一人で平気か?なんだったらオレってば‥」

「平気だから!
絶対来ないで!」

「‥なにムキになってんだよ」

「ナルトがきたら、‥‥」
ゆっくりなんか休めないわ。
最後はもごもごと小さくなる。

「あ?なに?聞こえねーって」

「‥‥‥だから!
私はあんたが好きなのよ!だからナルトが来た‥ら‥‥‥‥あた‥し‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥え?‥」

ああ。

言ってしまった。


ま、いっか。

後は頑張ってね、本体。

ご愁傷様。(って私なんだけど)


戸惑うナルト(分身)を置き去りに、術を解いた。










「‥え?‥‥‥ええと‥。
ええええ!?
アイツが、オレを好き!?」

「うるせーぞナルト!」

「ナルト!もうすぐ終わるんだから式の間くらい静かにしなさいよ!」

「しーっ!
あんたの声のがデカイわよ、デコリン!」

「誰がデコリンよ!イノブタ!」

「はー‥めんどくせー」


「‥好きって‥‥え?まじ?」

「さっきから好きだのなんだの何言ってやがる」

「キバ!好きってなんだ!?」

「はあ?好きは好きだろ。
なぁ、シカマル」

「あ?
好き?イロイロあんだろ」

「イロイロ‥?」

「友情とか恋愛とかよー。
つか、もう黙っとけよオマエら」

「あーはいはい」

「お‥おう!
(友情‥そうだよな、友情!うん友情の好きってことかもしんねーし?‥‥‥れ‥恋愛‥?)」

「ねえ、シカマル。
ナルト、熱でもあるんじゃない?顔真っ赤だよ」

「ほっとけチョウジ。
馬鹿は風邪ひかねーって言うだろ」







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