短編
7
しばらく穴を突いたり周りを撫でていた指が、ゆっくりとナカに入ってくる。
「っ、んぐ…!」
「やっぱり初めてだから狭いね」
硬く閉じられたそこは指一本でもキツい。当たり前だ、何かを受け入れる所じゃないんだから。
圧迫感と苦痛に息が詰まったけど、指は押し広げるようにしてどんどん入ってくる。
滑りを良くするために、再び液体状のモノを、今度は孔の中に注ぐように垂らされた。
浅く抜き差しされていた指の動きが、だんだん深いものになっていく。
「ん、んぅ…?」
動きがスムーズになっていくにつれて、ナカがむず痒いような、妙な気分になってきた。奥が少しずつ熱く、熱を帯びていく気がする。
「効いてきた?さっきのローションは媚薬入りなんだよ」
小野村が何を言っているのかも分からない。頭の芯が痺れていく。イッたばかりの自身に再び熱が溜まっていく。
相変わらず指の動きは緩やかで、それがじれったく感じてしまう。
(もっと、速く…激しくしてほしい……)
気が付けば、自分から腰を振っていた。
「ふぅぅっ!」
「ん、ここだね」
指がある一点を掠めて、凄まじい快感に押さえられていた身体が飛び跳ねる。今までと比べものにならないくらい、強い快感。
いつの間にか指は二本に増えていて、見つけだしたそこを強く擦るように動き回った。
「ん゙っ、んふぅっ!ふ、ぅぅーっ!」
「ココ、気持ち良いでしょ?前立腺って言うんだよ」
「んん゙ぅーっ!」
ごりって押し潰されて、真っ暗な視界に真っ白な火花が散る。触れられていない自身から、先走りが溢れるのが分かる。
(ぁっ、ぁっ…また、イッ…!)
でも限界を迎える前に、小野村が後ろから指を引き抜いてしまった。
「まだ我慢してね」
「んぅっ?!」
「そんなにイッちゃったら後がもたないよ」
それだけじゃなくて、何か布みたいな物で根元をキツく縛られてしまった。イく直前で止められたそこは、痛いくらいびくびくと脈打っている。
しかも薬?のせいで身体中が熱い。
拘束を解いてほしくて腰を揺らした。強請っているみたいで嫌だけど、喋れないからこうするしかない。
けど、小野村の言葉は俺の期待を裏切るものだった。
「じゃあ、しばらくこのまま待っててね」
「んんっ!?」
予想外の言葉に愕然とする。まさかこの状態で放っておかれるとは思わなかった。
犯されたくはない。けど、このままでいるのはもっと辛いのに。
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