短編 5 じたばたと藻掻いていると、誰かが俺の背後に移動した。後ろから抱き締められて、大げさなくらいびくついてしまう。 見えないと、誰に何をされるのか全く分からなくて物凄く怖い。 「んっ、んぅっ!」 「大丈夫だよ、気持ち良いことしかしないから」 耳元で囁かれて、後ろにいるのが小野村だと分かる。 背後から伸ばされた手が、服の上から上半身を撫で回し始めた。嫌々と首を振っても、全く止めようとはしない。 やがてその手は服の裾をつかんで、胸が見えるまで捲り上げられた。外気にさらされて、恐怖と肌寒さに震えてしまう。 「綺麗な肌だね。やっぱり俺の目に狂いはなかったな」 「ん、ぅっ…!」 ゴツゴツした手で今度は肌を直接撫で回される。 (や、気持ち悪い…!) 身体を捩ると、指先が胸の突起を掠めた。瞬間、電気が走ったような感覚に身体が跳ねる。 「ん゙ぅっ!」 「ん、乳首感じるんだ?」 違う!って首をぶんぶん振るけど、指の腹ですりすりと撫でられると、そこから甘い痺れが走る。 「んっ、んんっ!ふぁっ、ん…!」 「びくびくしちゃって可愛いね。素質あるんじゃない?」 今度はくりくりと転がされて、たまに強く摘まれる。そのたびに反応してしまう自分に戸惑った。 (何で…俺、男なのに……!) 声を我慢しても、鼻から抜けたような音が漏れてしまう。 乳首を弄ったまま、後ろで小野村がクスクスと笑った。 「アキ君の乳首、どうなってるか教えてほしい?」 「んっ…!」 「ピンク色の可愛いのがぷっくり腫れて、硬くなってきたよ。いやらしいね」 「んふぅぅっ!」 耳元で囁かれて、恥ずかしいことを言われるだけで快感が生まれる。見えない分、小野村の吐息や指の感触がリアルに伝わってきて、余計に感じてしまう。 必死に堪えていると、下から俺のベルトをカチャカチャと外す音が聞こえた。 「んっ!?」 「じっとしていて下さいね」 丸川だ。抵抗する前にベルトを難なく引き抜かれて、前を寛げられる。次いでジーンズを下着ごとずらされた。 上半身の時とは比べ物にならない羞恥に、顔が真っ赤に染まるのが分かる。 (い、やだっ…!) 普段人には見せない部分を知らない人間に見られて、しかもそれを撮影されているなんて耐えられるはずがない。 足に巻かれていた布を解かれたので、咄嗟に丸川を蹴り上げようとした。でもあっさりと押さえ付けられて、左右に大きく開かれてしまう。 [*前へ][次へ#] |