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短編
4


「ッ、い……せて!イかせ、て…!」

俺はいったい何をしているんだろう。龍二じゃない奴に自ら身体を開いて、浅ましくねだって。

羞恥と屈辱に震えていると、言われた通りにしたはずなのに、玲一は自身をつかむ手を放してくれなかった。

「あはは、違うでしょー?真浩はスゴく淫乱なのに、ココだけで満足できるの?」
「っ、ぁ…!」

くすぐるように先端を弄られる。次いで玲一を銜え込んでいる後孔の周りをなぞられて、顔が真っ赤に染まった。

こいつはどこまで俺を貶めるつもりなんだ。俺から何もかも奪ったくせに。俺にはもう何も残っていないのに。

「まーひろ」
「ぁ゙ぁっ!ぁ゙っ、やだぁっ…!」

焦れたのか自身を握ったまま、もう片方の手で乱暴に抜かれる。
「ちゃんと言えるよね?」と耳元で囁かれて、泣きじゃくりながら首を縦に振った。

「れ、いちの…で、ナカ…つい、て…イかせて……!」
「ふふ、かーわいー」
「ぁ゙っ!ぁぁぁ───っ!」

途端に律動を開始されて、自身を握っていた手を激しく動かされる。すでに限界だった俺はあっけなく精を放ってしまった。

「くっ…!」
「んぁっ…!」

玲一もナカに熱を注いで、ようやく後ろから自身を引き抜かれる。解放された瞬間、ぐったりとベッドに沈み込んだ。

「真浩、大丈夫…?ごめんね、オネダリされたら我慢できなくなっちゃった」

玲一が嬉しそうに俺を抱き締める。

「ッ、こんなっ…無理やり俺と龍二を引き離して、心にもないこと言わせて…それで満足なのかよ……!」

まだ荒い息を繰り返しながら、肩ごしに振り返って玲一を睨み付けた。こんなことしても、こいつには意味ないだろうけど。

玲一は一瞬キョトンとした後、気味の悪いくらい綺麗な笑みを浮かべた。

「あはは、あったりまえじゃん」

仰向けにひっくり返されて、玲一の整った顔が近付いてくる。思わず逃げようとする身体を押さえ付けられて、鼻先がくっつくまで顔を寄せられた。

「だって、あのまま真浩とアイツが付き合ってたら、俺はずっと不幸なままでしょ?」
「な……」
「二人だけが幸せなんて、ずるい」

言葉をなくす俺に、玲一は笑ったまま「でも…」と続けた。

「でも、こうすれば…ほら、みーんな同じだよ。……みんな、不幸だ」

玲一が何を言っているのか分からない。距離が近すぎて、輪郭のぼやけた顔が揺らいで見える。

唇を重ねられて、玲一からは逃げられないとぼんやり思った。


*END*

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あきゅろす。
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