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短編
6


「じゃあカメラ回すよー。“紅茶を出そうとしたらうっかり零しちゃった。テヘッ”って感じでよろしくー。アキ君は鬼畜で冷酷なご主人様にめちゃくちゃにされちゃってねー」

だから設定がベタすぎるって……というかテヘッって何だ。どっちにしろ俺がリョウに好き放題されることには変わりないんだけど……。

それにしても“鬼畜で冷酷な”なんて、普段のリョウからは想像もつかないだろう。何しろ奴は呆れるほどヘタレで根性無しで顔だけの男で……。

でも、

「はい、スタートー」

小野村さんがのんびりとしたキューを出した瞬間、俺の視界は反転した。

「うわっ!」

次いで背中に柔らかい感触。ベッドに突き飛ばされたらしい。
起き上がろうとしたら、それよりも早くベッドに乗り上げたリョウが俺の顔の両側に手を付いた。

「アキ……」
「ッ!」

やけに冷たくて低い声音にビクリとする。恐る恐る視線を上げれば、先ほどまでヘラヘラと笑っていたリョウはどこにもいなかった。

「……前に言ったな?出来の悪い使用人には仕置きだと」

変わりに、氷のように冷たい、でも激しく欲情した視線とぶつかった。


***


「んっ、んんっ…ふっ、ぅ…!」

俺はベッドに腰掛けたリョウの足の間に座り込んで、奴の肉棒を必死に銜え込んでいた。
部屋には、俺がリョウ自身をぴちゃぴちゃと舐めしゃぶる音だけが響く。

「……もっと奥まで銜えろ」
「ンぐっ!んっ、ぅ゙っ…んんーっ!」

必死に舌や手を遣うけど、経験のほとんどない俺が上手に出来るはずもなく。案の定リョウは全く満足しないようで、もうこれ以上入らないのにさらに奥まで押し込んでくる。
息苦しさに涙が出た。

しかも後ろに感じる微かな振動。
押し倒された後、引きちぎらんばかりの勢いでシャツの前をはだけられて、下は全部脱がされた。次いでどこから取り出したのかぶっといバイブを後ろに入れられて、シャツ一枚でこうして奉仕させられている。

たまにハンディカメラを持ったスタッフが近付いてくるけど、屈辱とか羞恥なんて感じる暇もない。苦しくて、身体が熱くて、とにかくこの疼く熱をどうにかしたい。完全に勃ち上がった自身ははしたなく先走りを零して、カーペットに染みを作っているほどだ。

「んンっ!ふっ…ん゙ぅっ!」

涙と唾液でぐちゃぐちゃになった顔で許しを請うように見上げる。目が合うと、リョウはニヤリと冷徹な笑みを浮かべた。

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