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櫻井家の食卓
6


タクミさんは不機嫌そうに舌打ちすると、さっさとお風呂場へ行ってしまった。ドアの閉まる音がして、すぐにシャワーの音が聞こえてくる。

俺はというと、もうすぐフミヤさんが帰ってくる時間なので、玄関で待つことにした。

しばらくしてシャワーの音が止んだ頃、玄関が開いてフミヤさんが顔を覗かせた。

「あれ、開いてる……保智、拓海帰ってきたのか?」
「ワンッ」
「まったく、どうせ上で寝てるんだろうな……」

フミヤさんはため息を付いてリビングへ入っていった。タクミさんはお風呂に入ってると伝えたいけど、残念ながら俺じゃ無理だ。

「あ、そうだ。先に風呂洗っとこ」

ふと思い出したように、フミヤさんはお風呂場へと向かう。

あ、でも今はタクミさんが……。

「っぎゃあ───っ!」

数秒後、フミヤさんの絶叫が響いた。

何だ何だまた何かあったのか!?……お風呂場へ向かうと、濡れた髪から雫を滴らせて、引き締まった身体を惜し気もなく曝した全裸のタクミさんと、タクミさんに捕まってまたもやジタバタともがくフミヤさんがいた。

「ンだよ人を化けモンみてェに。つーか何で逃げんだ?」
「は、放せよ!風呂洗うんだから!ていうか早く服着ろ!」
「ふーん、じゃあ俺も手伝ってやるよ」
「はぁっ!?って何で服脱がしてるんだ!?」
「ついでに兄貴も一緒に洗ってやろうと思って」
「いらねぇよ!ひっ、ぁっ…!」

タクミさんはあっという間にフミヤさんの服をはぎ取ると、強引にお風呂場へ押し込んだ。シャワーを出して、フミヤさんの身体にいやらしく手を這わせ始める。

「風呂でヤんのも興奮すんなぁ。せっかくだからボディーソープ使ってみるか?」
「やぁっ、んっ!ぁぅっ、やめっ……ひぁぁっ!」

何とか逃げようとするも、敏感な乳首やペニスを触られてされるがままになってしまうフミヤさん。

……せっかくなので俺も観賞させてもらうことにした。


***


「……くっそぉ、好き勝手しやがって……」

散々タクミさんに苛め……可愛がられたフミヤさんが、ソファーにぐったりと寝そべっている。
うーん、さっきのフミヤさんヤバかったなぁ……思い出すだけでアソコが……っと、いけないいけない。

ちなみにタクミさんはフミヤさんとあんなことやそんなことをした後、満足したように二階へ寝に行ってしまった。

「和兄も拓海も、俺に恨みでもあるのか……?」

………。フミヤさんはかなり鈍感だ。だって、カズヒロさんやタクミさんはきっと……。

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