櫻井家の食卓
4
フミヤさんは優しいからコイツを家に迎えたし、一緒のベッドで寝るのも許してるけど!でも、コイツはその優しさに付け込んで夜な夜なフミヤさんにあんなことやこんなことを……!
『ゃぁっ、た、たまぁ…!だめぇ…!』
『ニャー(ハッ、こんだけヨさそうにしてるくせに何が駄目なんだよ。大人しく感じてろ)』
『ぁぁっ!ゃっ…いゃぁ……!』
くぅぅっ!何て羨まし……いやいや何てふしだらな奴なんだ!
「…ニャー(…おい、そこの妄想発情犬)」
「ワゥッ!?」
いつの間に目を覚ましたのか、タマが呆れたようにこっちを見ていた。俺はゴホンと咳払いをする。
「ウー、ワンッ(お前!またそこで寝てるのかよ。それはフミヤさんのベッドだぞ)」
「ニャー(何だ、羨ましいならお前も一緒に寝れば?)」
「ワンッ(狭いベッドに俺まで寝たら窮屈で仕方ないだろ)」
まぁ、そうしたいのは山々だけど……フミヤさんにそんな寝苦しい思いはさせられないし。
「ニャー(まぁ、俺ならともかく、お前は重いからフミヤの上に乗っかるのも無理だろうしな)」
「ワゥッ!?」
おっ、俺がフミヤさんの上に!?それってつまり……。
『ぁっ、ゃぁ…ぽ、ちぃ…そこは、だめぇ……!』
『ッ、ワン……(ッ、気持ち良い?フミヤさん……)』
『ふぁぁっ!ぁっ、ん…い、いよぉっ…!』
涙で潤んだ瞳、上気した頬、半開きの口から漏れる熱い吐息、ビクビクと震える華奢な身体……俺の下で乱れるご主人様……。
フミヤさんの卑猥な姿を想像して、俺の息子さんは完全に勃ち上がってしまった。
「……ニャー(……コイツ本当にアホだ)」
うっとりした表情で涎まで垂らし始めた俺をタマが白い目で見ていたけど、フミヤさんのことで頭がいっぱいだった俺はそのことに気が付かなかった。
***
その後、ブツブツと文句を言うフミヤさんと、何もなかったかのように涼しい顔をしているカズヒロさんと一緒に朝ご飯を食べた。
カズヒロさんはそれからすぐに家を出て、フミヤさんは後片付けと洗濯をしてから最後に家を出る。
「じゃあ行ってくるから。留守番頼んだぞ?」
「ワンッ」
頭を撫でられて、俺は元気良く返事をした。
***
フミヤさんが帰ってくるのは夕方。まだだいぶ時間がある。
返事をしたのは良いものの、実は留守番はちょっと苦手だ。だいぶ慣れたけど、一人でいると寂しいし、この家に来る前のことを思い出して不安になる。
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