櫻井家の食卓
8
「んっ、んんっ!ふっ、ん゙ぅっ!」
「はっ…泣き顔ってすげぇクる」
「んぁっ、はっ…ん゙んーっ!」
「ッ、フミヤさん…めちゃくちゃ気持ち良いっ……!」
ああ…俺、こんな耳と尻尾生やした奴らに何されてるんだろ……激しく揺さ振られながら文弥はぼんやりと思いました。
「っ、そろそろ出すぞ…全部飲めよ……!」
「ぁっ、俺ももう…イくっ……!」
前後のモノがビクビクと脈打って限界が近いことを知らせます。さらに激しく打ち付けられて、文弥も射精感に身体をわななかせました。
そして、
「くっ……!」
「うぁっ……!」
「んん゙ぅ─────っ!」
視界が真っ白に染まりました。
***
「ん……」
文弥が目を覚ましたのは、空がオレンジ色に染まる夕方。ゆっくりとソファーから身体を起こして、ぼんやりと窓の外を見つめます。
「あ、れ…俺……あっ、保智っ?多摩……?」
先ほどのことを思い出して、顔を真っ赤にさせながら二人の姿を探すと、
「あ……」
そこには人間の姿の二人はいませんでした。
文弥のお腹のすぐ傍に多摩が、ソファーの下に保智が丸くなって寝ています。自分の身体を見ても、ちゃんと服を着ています。
「夢……?でも、やけにリアルな夢だったような……」
それに何か腰が重い。情事の後みたいな……そこまで考えて文弥は頭を振りました。
(バカだな……そんなことあるわけないって)
眠ってボーッとする頭をすっきりさせようと、文弥は洗面所へ向かいます。
(でも……)
リビングを出る際、まだ眠っている二匹をちらりと見ました。
(夢でも良いから、保智や多摩と話せて楽しかった。まぁ、内容は……ちょっとあれだったけど)
苦笑しながら、洗面所にある鏡の前へ。
「……え?」
そこで自分の姿、正確には首元を見て驚きます。
そこには、うっすらと付いた歯形と、ほんのり赤いキスマークが残っていたのでした。
***
『……そこには、うっすらと付いた歯形と、ほんのり赤いキスマークが残っていたのでした。』
「………」
「………」
「どう?どうだった?」
目の前のソファーに座るソイツがニコニコと笑いながら感想を聞いてくる。
携帯に打ち込まれた文章を何とも言えない気持ちで読んでいた俺は、隣に座る友人をちらりと見た。俯いていて表情は分からないけど、さっきから小刻みに震えている。感動してる……わけじゃないよな、やっぱり。
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