櫻井家の食卓
4
ウルウルした瞳で見つめられて、保智に甘い文弥は胸がキュンキュンしてしまいます。
「嫌じゃないよ。俺だって……」
「本当?良かった!」
保智は途端に表情を明るくして、ギュッと文弥に抱き付きました。身体を自分の方に引き寄せて、後ろから抱き込むように手を回します。
「わっ!保智!?」
「えへー、フミヤさんの匂い」
「く、くすぐったいって……!」
首筋に鼻を埋めてクンクンと匂いを嗅がれ、文弥はこそばゆい感覚に身を竦ませました。
(って保智の奴、なんか息荒くないか!?)
耳元にハァハァと熱い息がかかって、ゾクゾクすると同時に身の危険を感じた文弥。
思わず逃げようとしましたが、そうは問屋が卸しません。
「ひっ…!」
突然、耳に濡れた感触がして短く悲鳴が上がりました。どうやら舌を這わされたようです。
「やっ…そ、そこは駄目だって!」
「んっ、何で?いつも舐めてるよ?」
「ひぁっ!そ、れはお前が犬だから……!」
耳の中を何回か抜き差しした後、舌はゆっくりと首筋を降りていきます。抱き締めていた手はいつの間にか上半身をいやらしく撫で回していました。
「ふっ、ぅ……!」
文弥は何とか感じないように歯を食い縛りますが、熱い舌に首筋をなぞられて、敏感な乳首を弄られてはどうしても身体が反応してしまいます。
不意に、保智が肩口に顔を埋めたかと思うと、
カプッ
「あぁぁっ!」
痛いくらいに歯を立てられました。でも今の身体にはそれさえも快感で……その後噛まれた所をねっとりと舐め上げられて身体がびくびくと震えます。
「ん、はぁ…俺、人間になったらフミヤさんとやりたかったことがあるんだ!」
「ぁっ…な、何……って顔近ぁっ!しかも何で息荒くなってるんだよ!?」
目も何かギラギラしてるしこぇぇっ!……文弥は必死で顔を離そうとしますが保智は真顔で迫ってきます。
「交尾」
「だから近っ……え?」
こうび。コウビ……交、尾……?
文弥フリーズ。その間に保智はいそいそと彼のベルトを外していきます。
「はっ!?いやいや無理だから!」
ハッと我に返って慌ててその手をつかむ文弥。
「え、だめ……?」
ウルウル再び。そんな悲しそうな瞳で見つめられたら……。
「いやいやダメなもんはダメだ!」
流されませんでしたよ。チッ。
「でも、もうフミヤさんのこんなになってるよ?」
「ぁっ!?」
いきなりズボン越しに反応しかけているモノを撫でられて、身体がビクリと跳ね上がりました。
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