櫻井家の食卓
8
強い快感から解放されて安心する間もなく、代わりに押し当てられた熱いモノに顔が強張った。
「なっ、ぁ…!は、話が違っ…!」
「誰も見て終わりなんて言ってねぇだろ。ま、疑ったお詫びにヨくしてやるよ」
「やっ、いらなっ…やめっ……ぁ゙ぁぁっ!」
必死の抵抗も虚しく、拓海の猛ったモノが一番感じる所を擦りながら奥に入ってくる。そのあまりの圧迫感に息が詰まった。
「ッ、ぁっ…かはっ……!」
「おら、ここ兄貴の好きなトコだろ?」
「ひ、ぃ゙っ…!」
何度か抜き差しを繰り返されて、今度は良い所に先端を押し当てて小刻みに動かされる。
「ぁ゙ぁぁっ!だめっ…それだめぇっ…!」
「ダメ、じゃなくてイイんだろ、ほら」
「ッ、ぁ゙ぁぁぁぁっ!」
ゴリゴリッとそこを押し潰された瞬間、俺は顎を仰け反らせてイッてしまった。
後ろだけで達したにも関わらず勢い良く噴き出した白濁がソファーを汚していく。
射精を終えて、がくがくと上半身が崩れ落ちた。腰だけを突き出した体勢のまま荒い呼吸を繰り返す。
「……おい、これくらいでへばんなよ。俺はまだイッてねぇぞ」
「んぁっ!まっ、て…まだ……!」
けど余韻に浸る間もなく、再び荒々しく腰を打ち付けられた。獣のようなその行為に、ソファーに必死にしがみ付くことしかできない。
「ひぁっ!ぁっ、たくっ…ぁぁぅっ!」
「は、兄貴……!」
余裕のなさそうな拓海の声。
しばらくして、後ろに熱いモノが吐き出された。
でもイッたはずの拓海のモノはまだ大きいままで……、
それから休む間もなく腰をつかまれ揺さ振られて、途中から俺の記憶は曖昧になってしまった。
「ぁっ、ぁぁ…ひっ、ぅ……!」
「くっ……頼むから、余計な心配かけさせるなよ……」
だから、小さな声で呟かれた拓海の言葉を理解することができなかった。
拓海が何で怒っていたのかも、俺には分からなかったんだ。
***
『やぁぁぁぁっ!』
「っ、文弥さん…声エロ過ぎっ……!」
「健……カッコ悪ィからドアに張り付くの止めろよ」
「だってせっかく文弥さんのやらしー声が聞こえるのに!あぁー拓海のやつが羨ましい!」
「良いからそのおっ勃ててるモンどうにかしてこい。見苦しい」
拓海に翻弄されていた俺はここがどこなのかすっかり忘れていたし、扉の向こうで健が聞き耳を立てていることにも気付かなかった。
俺、何しにここへ来たんだっけ……。
*End*
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