櫻井家の食卓
7
ようやく後ろのバイブも引き抜かれてぐったりと脱力した。
一通り問題は解いたんだ。後は和兄に間違えた所を教えてもらうだけ……。
「はぁ、はぁ……ふぁ?」
肩で大きく息をしていると、急に呼吸の整わない身体を持ち上げられて、ベッドの上に横たえられた。当然のように乗っかってくる和兄。
「え、ぁ、ちょ…なに……?」
「これだけ良くしてやったんだ。今度は俺の番だろ?」
「なっ、ぁ、それは和兄が勝手に……ひぅっ!」
慌てて和兄の下から這い出ようとすると、がっしりと身体を押さえられて服の上から乳首を捻られた。
「俺が満足したら間違った所を教えてやる」
「そ、んなっ、ひっ…ゃぁぁっ!」
満足した和兄に解放されたのは、それから数時間も後のことだった。
***
「……これで一通り終わったな」
「……アリガトウゴザイマス」
和兄に好き勝手されてたらいつの間にか夕方になっていて、足腰が立たなくなった俺の代わりに晩ご飯を作ってもらった。食べた後に片付けまでしてくれて、和兄の部屋に戻って間違えた問題を教えてもらってようやく終わった。
……マジで疲れた。何か無駄に疲れた気がする。
動かない身体に鞭打って片付けをしていると、
「……ああ、テストで80点以上取れなかったら仕置きだからな」
「は、はちじゅっ…!?無理!絶対無理!」
「……お前、この俺が教えてやったのにできないって言うのか?」
「ひぃっ!」
一気に低くなった声にびくりとする。だって、毎回半分取れるか取れないかの成績なのに、いくら教えてもらったからって急に点数が上がるわけない。
「へ、平均点!平均点以上は取るからそれで許して下さい!」
「……仕方ないな」
和兄は不満そうだったけど、次に呟かれた「平均を下回ったら今日よりも激しくする」という言葉に、俺は死ぬ気で勉強することになった。
***
二週間後。
「おー、すげぇな文弥。数学苦手だって言ってたのに平均点以上あるじゃん」
「……命かけてたからな」
「?何か疲れてる?」
「いろいろありまして……」
「……あー、うん、何となく分かった。お疲れさん」
肩をぽんぽんと叩いてくる翔の気遣いが身に染みる。
平均点以上取れたのでお仕置きされることはなかったけど、和兄に「教えてやったんだから報酬を寄越せ」って言われてまた抱かれた。
結局良い点が取れても取れなくても抱かれることに変わりはなかったみたいだ。
もう和兄に教えてもらうの止めようかな……。
*End*
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