櫻井家の食卓
2
でも、このまま和兄に教えてもらえばテストは何とかなりそう……実際に一人で問題を解けるかどうかは若干不安だけど、赤点を取ることはない……と思う。
和兄はしばらく腕を組んで何やら考えていたけど、
「じゃあ、今からこの問題全部解いてみろ」
「え、でも解き方が分からないんだけど……」
「分からなくても、無理矢理でも良いから答えを出す。まずは自分で考えてやることに意味があるからな」
「そ、そっか。分かった」
うーん、和兄にしては珍しくまともなことを言うなぁ……。
「ただし、間違えたらペナルティだからな」
「う…ん?え、何だよそれ」
「一つ間違えるごとに俺の言うことを何でも一つ聞いてもらう」
「はぃっ!?」
「例えば、一問につき一回セックス──」
「むっ、無理っ!絶対無理っ!」
いきなり何言い出すんだこの変態兄貴!ちょっと見直したのに!っていうか何だよそのめちゃくちゃな要望は!
「その方がやる気が出るだろ」
何の!?じゃなくて!
「出るか!嫌に決まってるだろそんなの!」
「我が儘な奴だな」
やれやれという感じで返された。え、今の俺が悪いの?
「どのみち問題が解けないとテストの点は取れないぞ」
「そ、それはそうだけど……!」
「嫌なら教えないからな」
なっ、何て横暴な……!この鬼畜!外道!
「まぁ、始めは簡単なことしか要求しないから安心しろ」
にやりと悪魔のように笑う兄貴。いや、全然安心できないんですけど……。
けど、教えてもらわないと困るのは俺だ。やるしかないのか……この際今日中に分からない所を無くしてしまえば楽だろうし……。
要は間違えなきゃ良いんだよな。よし、絶対に正解してやる!……そう心に誓って最初の問題に取り掛かった。
今思えば、ここで逃げておけば良かったんだろうな……。
***
数分後……。
「不正解」
「……………」
「お前、始めの計算から間違ってるぞ」
「……………」
……良く考えてみれば、分からない問題を自力でやってもちゃんと解けるわけないよな。
和兄は呆れたように俺を見ていたけど、次いでいつもの意地の悪い笑みを浮かべた。
「さて、じゃあ何をしてもらおうか」
こっちは何をさせられるのか不安で仕方がない。上から下まで舐めるように見られて居心地も物凄く悪い。
「やっぱりまずは服からだな。一枚脱げよ」
う、やっぱりそうきたか……一枚ずつ脱がされるとかお約束過ぎるだろ。
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