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櫻井家の食卓
3


あろうことか和兄は服の中に手を突っ込んで、俺のち…乳首を触ってきた。

「くそ、苛々する。飲み会には行かないって何度言わせれば気が済むんだ」

そう言いながら両方の突起をつまんで、ぐりぐりと弄くり始める。そこからむず痒いような、ジンとした痺れが走って、恥ずかしい声を出してしまう。

「んっ、ぁっ…!や、やめっ…!」
「どうせ顔が目的の女ばっかりだろ。そう思わないか?文弥」
「ひっ…!ぁっ、ぁぅっ…!」

そんなこと言われても、乳首を弄られながら耳元で低く囁かれたら、ぞくぞくしてまともに話すことなんかできない。

和兄は、俺の身体で遊ぶのが好きっていうとんでもない奴だ。好きっていうか八つ当たりっていうか……苛々したり腹の立つことがあったらすぐ俺を虐めて発散しようとする。

「ふっ、ぅ…!」

身体の力が抜けて、手から鞄とスーパーの袋がどさりと落ちた。卵買ってなくて良かった、なんて呑気なことを考える。

「……もうこんなになってる」
「ぅぁっ!」

片方の手が下に降りてきて、僅かに反応していた俺の……を撫で上げた。な、何てことを!

「ひぁっ!ぁっ…頼むから、やめっ…!」
「断る」
「んぁっ!ご、ご飯っ!晩飯作んないと…!」
「チッ」

ようやく和兄が手を離す。ていうかまた舌打ちした?

床にへたり込みそうになったけど、何とか荷物を抱えて一目散にキッチンへ逃げ込んだ。

(和兄のアホ!セクハラ野郎!)

大急ぎで逃げたため、俺は和兄が意地の悪い笑みを浮かべていたのに気が付かなかった。

「……なら、続きは夜だな」

この悪魔のような呟きも、聞こえなかったんだ。


***


その夜、今日も両親はいないので、兄と二人(+二匹)で晩ご飯を食べた。

……弟?あいつは今遊び盛りというか……家に帰らない日もある。うん、そんな奴だ。

皿洗いを終えて、風呂に入った俺はベッドに寝そべっていた。
足元では猫の多摩がすでに丸くなって寝ている。こいつは何故か俺のベッドが気に入っていて、いつもここで寝るんだよな。

「あー、眠い……」

明日は休みだし夜更かししようと思ってたけど、このまま寝ていまいそう……。

「あ、手紙……」

そういえば、和兄に手紙を渡すの忘れてた……。

「今日中に渡した方が良いよな……」

のっそりと起き上がって鞄から手紙を取って、隣の和兄の部屋へ向かった。

……この後どんな目に遭うかも知らないで。


***

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