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隠された想い



ぼんやりした頭で、目を覚ますと、俺の寝室だった。いつの間に帰って来たんだろ……と、酔いの醒めない状態で考えていたら、扉の向こうで誰かの話し声。


気になって扉を開けて飛び込んできた光景に、ぎょっとした。何故なら、昂が金井に押し倒されていたから。


一気に酔いが醒めた俺は、直ぐに金井を突き飛ばした。だが、何故か金井は股間を押さえていた。……何で?




「金井!俺の昂に何すんだよ!今すぐ出てけ!」



気が付けば俺はそう口走っていて、ぐいぐいと金井を玄関の方へと押しやる。

途中で昂が代わりに玄関に連れてってたけど、なんか後ろ姿が黒いオーラを放っていて鳥肌が立った。



一人、リビングに戻ったが落ち着かなくてうろちょろしていたら、昂が戻ってきたので駆け寄って、何もされてないか聞くと、何故か消毒しろと言われ………───






「こ、昂…?」


俺のベッドに運ばれ、押し倒された………。

「黎哉、消毒してくれるんでしょ?」


爽やかな笑顔でそう聞いてくる黎哉に俺は、戸惑う。

「え?え?しょ、消毒?…いや、それより何で押し倒されてんの?何でベッド?」



黎哉を見上げると、ニコニコと笑っている昂がいて、しかもその手は俺のシャツをまさぐっている……


「昂?」


何かヤバい、と本能が悟り、昂の手を阻むが昂に力で叶うはずもなく…


昂の手は俺の乳首を掠めた。


「昂、止めてくれって!何で……!」


さすがの俺でもここまでされれば、大体の事はわかる。遅いかも知れないけど。

「何で?………そりゃあ、僕が黎哉の事を好きだからだよ。」


「え?」


好き?それは勿論、兄弟としてだよな?じゃなきゃおかしいよな?


「勿論、兄弟としてだよ?」


昂のとってつけたような言葉に、俺はホッとして息をついたが、昂の次の言葉に凍り付いた。



「ねぇ、黎哉。兄として、傷付いた弟の事を慰めるべきだよね?」


  『慰める』?
    どうやって…?
   (昂の指先が下半身に移っていく………)





「いいよね、ニイサン。」

わざとらしい昂の言葉が俺に襲いかかる。


















************

横でぐったりとして眠っている黎哉……。

もしかしたら、壊れてしまったかもしれない。でも、それでも僕は後悔してない。また、あんな金井とかいう男が出てくるかもしれないし………


それを考えたら、この際黎哉を壊してしまった方がいいかもしれない。そしたら、僕が黎哉の面倒を看てやれる。傍に居てやれる。



それでも、やっぱり俺の気持ちは伝えないけど伝えたら、黎哉は自分を追い込んで自殺してしまうかも知れないしね。

さっきは勢い余って口走ってしまったけど、ギリギリ大丈夫のようだ。






あぁ……黎哉。やっと『兄弟』の枠から出て、捕まえた愛しいひと………────

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あきゅろす。
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