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短編集・読み切り



「なに?

 まさか気持ちイイの、岡本?」

「んっ…わからない…」


 わからないと言う岡本の声がいつもは聞

かない感じに少し上擦っている。

 今までさんざん嬲られてもオレたちの前

で達するような兆候どころか感じている雰

囲気さえ見せなかったのに何かがおかしい。

 机から降りてローションのボトルに手を

伸ばす。

 島崎がそれを視界の端に捕えてしまった

という顔をするけど、その理由は間もなく

明らかになった。


「“媚薬成分配合。これでパートナーはあ

 なたにメロメロ”

 へぇー?」

「そ、それはっ、そのっ…」


 しどろもどろになりながら島崎が言い訳

しようとするがそれを言う前に島崎の背中

を上履きのまま蹴りつけた。


「もし岡本をイかせられなかったら、コレ

 ボトルごとお前のケツに突っ込んでやる

 よ」


 笑顔で言い放つオレを見上げてヒクッと

島崎の表情が固まる。

 島崎の弱点を握るのはものすごく気分が

良かった。

 オレの脅しを本気にしたのかは知らない

けれど、岡本の中に突っ込んだ島崎の指は

奥を探るように岡本の中を掻き回す。

 しかし緊張しているのかそれともビビっ

ているのかその指の動きは雑でおおよそ性

感帯を探るような動きではない。

 せいぜい媚薬入りのローションを内側の

粘膜に擦りつけるだけで手一杯だろう。


「岡本、起こすよ?」


 島崎がそっと声をかけてから岡本の上半

身を起き上がらせる。

 目隠しをされたままでは方向感覚がおか

しいのか、手早く下着ごとズボンをずり下

ろす島崎とは違う方向を見ている。

 高取でも待っているんだろうかと思い当

たったところで、島崎は胡坐をかいた上に

岡本を誘導してゆっくりと腰を下ろさせる。

 高取が来ると解ったからか岡本はやけに

素直に言うことを聞く。

 そういえば呼びに行かせた連中はまだ来

ないのだろうか。


「ぁっ…」

「ん…」


 ローションまみれの手で自ら扱いたであ

ろう島崎の半勃ちチ●ポを岡本のケツの穴

がゆっくりと呑み込んでいく。

 ローションの滑りばかりでなく媚薬の効

果も手伝っているのか今日は岡本の表情が

違う。

 まぁそれも媚薬やここには居ない高取の

存在ありきであるというところが何とも島

崎らしいのだけれども。


「お、ヤッてんじゃん」

「いいタイミングだったなぁー!」


 バカ二人が他のメンツを連れて戻ってく

る頃には、ようやく体の奥まで島崎のチ●

ポを受け入れた岡本が腰を揺すり始めてい

た。

 ヒデがまだいないが、おそらく高取を迎

えに行く貧乏くじを引いたのだろう。

 どうでもいいけど。


「相変わらず締まるなぁ…。

 なぁ、お前もイイだろ、岡本?

 イキそう?」


 岡本が揺する腰を下から島崎が突き上げ

る。

 目隠しをされ腕を拘束されて腰を揺らす

様はまるで何かのプレイに没頭しているよ

うだ。

 事情を知らない人が見たならきっと合意

の下での性●に見えるだろう。

 岡本のいつもとは違う様子に気づいたら

しいメンツの目の色が変わっている。


「なぁ、コレいけんじゃね?」

「これで島崎が高取の前で岡本をイかせた

 ら高取にこれ以上デカい顔なんてさせな

 いぜ」


 やっぱり馬鹿は底抜けの馬鹿だったらし

い。

 まぁ島崎の振りかざす偽善よりは欲望剥

き出しな分だけ胸糞悪くならないからマシ

だけども。





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