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短編集・読み切り



「だけどさ、この前お前が早退した日あっ

 たじゃん?

 眠いっつって帰った日。

 あの日に岡本呼び出したんだけど、結局

 逃げ出したんだぜ?」

「知らねーよ。俺は関係ないだろ、ボケ。

 岡本が俺がいなきゃ嫌だとでも言ったの

 かよ。違うだろ。

 岡本が俺のいないところで誰に掘られよ

 うが死ぬほど興味ねーし」


 話の流れを途切れさせまいとしたのか野

坂が口を開く。

 明確な意思表示をしたのに、まるでダメ

押しのように更に尾山が畳み掛けた時には

もう顔に青筋でも浮かんできそうだった。


「じゃあ高取は本当に岡本が知らない所で

 誰とヤッてても構わないんだな?

 どこかに連れ出したりとか」

「くどいッ。

 興味ねーって言ってるだろっ」


 この場にいる全員が同じことを考えてい

るのかと思ったら頭が沸騰するようで、高

取は尾山の言葉を遮ると、座っていた椅子

を蹴るようにして立ち上がって教室を出て

いった。




 そのまま教室に戻る気にならず、トイレ

にでも行って気分転換しようとした彼はち

ょうど出てきた岡本と出くわした。

 まるで憎い者のように睨みつけてくる高

取に岡本は怯えたように固まったが彼の怒

りの原因まで思い至るわけがない。

 もはやズボンのポケットの中で例のマジ

ックをいじるのが癖になっている高取は、

無意識にそこに手を伸ばし触れた感触にふ

と思い至ったことを実行することにした。

 彼に睨まれて動けずにいる岡本の手首を

掴んで個室に連れ込む。


「脱げ」


 たった一言命じる。

 岡本は何故とも嫌だとも言わずに整えた

ばかりの制服のボタンを外していく。

 その間に彼がポケットからマジックを取

り出すとインクはあと少しで満杯というと

ころまで溜まっていた。

 このマジックペンを彼に与えた悪魔は何

も言わなかったが、どうやらこのペンのイ

ンクは彼の怒りや憎しみに比例するように

溜まっていくようだ。

 ならばその原因である岡本にそれを消費

させるのは当然の結果だと思えた。

 岡本が胸をはだけるや、彼の体を個室の

壁に押し付けてその胸にペン先をつける。

 色の違うところをぐるぐるとしつこく何

度も囲み、その左右の二つから線を引っ張

って“勃●乳首”という文字を看板でもぶ

ら下げているように四角い線で囲む。

 さらにその下に“口はオナホ。全部飲ま

せて”と走り書きのような字で重ねる。


「うっ、ぁッ…」


 視線を少し上げると既に岡本の胸の突起

は尖ってきっており、わすがに空気が動く

だけでたまらなそうに顔を歪めている。

 その表情に一瞬だけ笑みを浮かべた高取

は岡本を急かしてズボンを下ろさせる。

 もちろん下着ごと。

 露わになった青年の性●はすでに上向き

始めていたが、そんなこともかまわずに彼

は岡本の下腹部に勃●したそれのイラスト

を描く。

 しつこく何度も上書きした回数は10を

超えたか超えないかで、上書きしすぎたせ

いで落書きの絵の線は恐ろしく太い。

 それを彼が満足してペン先を離す頃には

目の前の高ぶりは反り返って透明な汁を垂

らし岡本はこらえきれないように悩ましい

吐息を吐き出していた。





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