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短編集・読み切り



「しゃぶって」

「……」


 歯を立てられる危険さえなければ岡本に

するように迷わず突っ込んでいたかもしれ

ない。

 それなのにまだ物言いたげな島崎の目が

見上げてくる。

 先っぽまで舐めておいて、舐めながら俺

のチ●ポが勃ってきてるのも解ってて、も

う終われるつもりでいたのだろうか。


「ローション突っ込まれたい?」


 掴んだままのネクタイを引っ張りながら

ニッコリと笑う。

 ケツの穴を弄らせないのなら、フェラく

らい最後までキチンとしなければ許してな

んかやらない。

 自分は岡本に突っ込んで果てたくせに、

身勝手な偽善を振りかざして岡本を傷つけ

た上にイかせることも出来なかった。

 これはその報いだ。

 島崎はまだ何か言いたげだったけれども

ネクタイをクイクイと引っ張ってやると観

念したのかようやくおずおずと股間に顔を

埋めてきた。


「っ…」


 島崎の舌使いはまだ躊躇があるせいか拙

い。

 舌先で申し訳ない程度に先端を撫でて、

そこにキスするように唇をあてて静止する。

 躊躇いと共に先端を呑み込んでいく様は

焦れったいほどゆっくりで、生温かい口内

に包まれていく先端はそれだけで角度をつ

けていく。

 もっと深くまで島崎の粘膜を犯してしま

いたくて島崎の髪に指先を埋める。

 後頭部を押さえつけてしまわなかったの

は、ようやくくびれのあたりまで呑み込ん

だ口内で舌が丹念に舌を這わせ始めたから

だ。


「もどかし、ぁっ」


 普段は皮に隠れていて敏感なそこに舌先

が触れると軽く腰が浮くような痺れが走る。

 慣れていない舌先は場所をずらしながら

皮の内側を舐め回し、甘い痺れの走る腰は

突き上げたい衝動を堪えて両膝を島崎の肩

にのせ背中でクロスさせて島崎を抱き込む。

 島崎が本当に自分のチ●ポを舐め回して

いるのだという実感がじわじわと湧いてき

て、敏感なところを舐められながら丁寧に

皮を剥かれるそこは痛い位に熱を蓄積して

いく。


「あっ、はぁ…そこばっかっ。

 ちゃんと奥までしゃぶれよっ」


 もっと島崎の口内を犯したくて疼く股間

が揺れるけれど、皮が剥かれて敏感な部分

が剥き出しになった先端を躊躇わなくなっ

た島崎の舌先から逃がすことはできなかっ

た。


「気持ちいいんだろ?

 咥えちゃったら先っぽ舐められないよ」

「うっ、島崎のくせに…あッ、そこやだッ」


 “さっきまで嫌がってたくせに”と心の

中で毒づくけど、すっかり皮の剥かれたく

びれの裏側を舐められてビクッと腰が跳ね

た。

 岡本の舌になら自分から擦りつけたけれ

ども、こんな状況で島崎に無防備に差し出

すのは何だか悔しい。

 それなのに島崎は馬鹿の一つ覚えみたい

にそこばかりを責めたてた。

 生理的にビクビクと震える腰は快楽を逃

がしきれずに足の先まで痺れをもたらし、

先端から汁を滲ませ始めた。





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