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短編集・読み切り



「うーん、いまいちか」


 それを腕組みしながら見下ろしていた高

取は小声で呟いて無遠慮に拡げた穴に指を

突っ込んだ。

 その途端にの岡本の体がビクッと震える

が当然彼はそんなことはどこ吹く風だ。


「しっかしドロドロだな、ココ。

 何人咥えこんだんだよ?」

「そんなの、覚えてない。

 あっ、なにをっ…?」


 突っ込んだ指で中を掻き回した彼は、そ

れを引き抜いて岡本の高ぶりに触れた。

 指についたぬめりを塗りつけるようにし

ながら数回高ぶりを扱くと、それは見る間

に膨張した。


「あっ、ゃぁっ…」


 彼から初めて明確な愛撫というものを受

けた岡本は思わずそう口走ってしまうが言

葉に反して体はビクビクと震えながら反応

し、拡げる縁が空っぽの体内に求めるよう

にヒクつく。

 その変化に岡本自身が真っ先に気づいて

しまった。


「よし、このくらいか」


 まるで用は済んだと言わんばかりに高取

の手が離れたのは、岡本の高ぶりがすっか

り天を突いた時だった。

 もう達してしまいたくて透明な雫を零す

それをあっけなく放り出して高取は汚れて

いない方の手でポケットの中から携帯を取

り出した。

 中途半端に放り出されてとろんとしてい

る岡本の股間に近づけた彼の携帯がパシャ

ッと音をたてた。

 フラッシュに驚いていた後に高取が何を

したのかをようやく岡本は悟った。


「高取君っ?!」

「大丈夫だって。

 顔写ってないから。

 でも餌があったほうが掲示板の書き込み

 の食いつきもいいだろ」


 岡本は愕然とした顔で彼を見上げるが、

高取は携帯を弄るのが忙しくて聞いていな

い。

 しかも高取の思考が既に止められないと

ころまで進んでいるんだと知れて背中を冷

たいものが流れた。

 言われた通りに足を拡げていた岡本は一

向に自分の方へ向かない高取の前で今更居

たたまれなくなったのか、モジモジと膝を

擦り合わせた末に落胆にも似た溜息を吐い

て起き上がった。

 岡本は自分が高取にとってどんな存在で

あるのか痛いほどに理解している。

 どれほどの責め苦を受けようと、彼が飽

きたらそこまでだ。

 それは岡本にとって時に救いであり、時

に残酷な仕打ちだった。

 岡本に出来ることはただそれを受け入れ

ることだけ。





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