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短編集・読み切り



 黒板や机の落書きは教師の目に留まる前

に乱暴に消され、班決めの時にわざとらし

くのけ者にしてから仕方なくメンバーに入

れてやるよというようなクラスの誰もが一

度は目にしていてそれでも教師の目はかい

くぐるように陰湿ないじめはエスカレート

していった。

 なるべく相手にしないように無視して勉

強に没頭しようとしても多感な思春期にそ

れら全てを無視できるほど達観できなかっ

たし、さりとて自力でどうにかできるほど

器用でもポジティブでもなかった。


 そうして1学期の期末試験がやってきた。

 テスト期間中に何かされてテストに響い

たら困るからと筆記用具も予備を持って行

ったのに予備ごと隠されたり捨てられたり

した。

 苛立ちが勝ってテストは集中できなかっ

たし、のちに振り返るとケアレスミスを連

発していた。

 テストは見るも無残な結果になり、順位

はあり得ないほど落ちた。

 体調が悪かったのだろうと教師たちは慰

めにもならない言葉をかけたが、テストで

上位をとった彼がニヤニヤとこちらを見て

きた時には腸が煮えくり返るかと思った。

 人前でなければ殴りかかっていたかもし

れないと思ったほどだ。

 家に帰ると疲れた顔の両親から点数のこ

とで叱られた。

 言い訳を要求されてなるべく当たり障り

がない理由を並べたけれど、結局どれも聞

き入れてもらえないだけだった。

 その日はテストの全ての問いに間違えず

に答えられるようになるまで寝かせてもら

えなかった。





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