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短編集・読み切り



「あッ、はぁッ、イクッ、もうイクぅッ!」


 髪を振り乱して背中を駆け上がるゾクゾ

クとした痺れに頭の芯を犯される。

 彼の雄に弱い部分を抉られた刹那、頭の

中が真っ白になった。

 同時に濡れた手で扱く高ぶりの熱が弾け

て白濁を撒き散らす。

 扱く度に散る飛沫は胸を床につけていた

私の体にもかかったが、構わず扱いて残り

を吐き出した。


「うッ…!」


 イッた直後の痙攣で後ろを穿つ彼の雄を

締め上げると2〜3度腰を打ちつけてきた

彼も私の中で果てた。

 いつまでも終わらなければいいと願った

快楽は、溺れても足りない深さで全てを浚

っていった。


「はぁっはぁっはぁっ…」


 強烈な快楽の余韻に包まれて指どころか

言葉さえ発する余裕はない。

 肩で息をするのが精一杯な私の体内で放

ち終わった彼のモノがズルリと抜け落ちた

時に支えを失って腰も床に崩れ落ちた。


「はぁはぁ…ハハッ、エロ…。

 これもあげるよ、センセ」


 ガンガン突かれ過ぎてすぐには戻らない

穴からトロリと零れる感触。

 その穴に何かを突っ込まれたと思ったら

ドロリとした感触が粘膜を撫でる。

 再び彼の放ったばかりのものを流し込ま

れたのだと悟ったのは暫くしてからで、快

楽のあまり脱力したまま新たな白濁で濡れ

る穴を掻き回す彼の指先には勝手を許して

いた。


「センセのケツ、ホントにエロイよね。

 今まで欲求不満だったんじゃないの?

 こんなセックス、まともな相手じゃして

 くれないデショ?」


 ぐちゅりと掻き回す指先が恋しくて憎ら

しい。

 そんなことは言われなくてもわかってい

るし、これほどの快楽があるなんて今まで

知らなかったのだ。

 だがしかし知ってしまった今となっては

果たして今までのそれでは満足できないだ

ろうという確信が頭の隅にあった。

 …けれど、こんなことは今夜限りだ。

 今夜限りだと思うからこそ全てを投げ出

せたし、こんなことは続けるべきではない。

 たとえ彼との接点を失うことが身を切る

ように辛くとも、今夜が過ぎれば拘束を解

かれて解放されたなら、私は何よりもまず

医師であるべきだ。


「うわ…なんか色んなもので床汚れてるや。

 後片付けヨロシクね、センセ。

 コレほとんどセンセのだし」


 むせ返る雄の匂いが部屋に充満している

のは目隠しをされていても気づいていた。

 しかしそれほど汚してしまったのかと驚

くと同時に羞恥がぶり返してくる。


「あぁ、それからケツ洗って帰ったほうが

 イイよ?

 漏れてもいいなら別だけど」


 自分からわざわざ注いでおいて何を言う

のかと思ったけれども、確かに自分のもの

も体にかかってしまったし車といえどもそ

のままでは帰れそうにないのは事実だった。

 脱力して未だ動けない私の隣で衣服をゴ

ソゴソと着込む音がする。

 もういい加減に目隠しを外してもいいだ

ろうかと思いつく頃に彼の手が後頭部に触

れた。

 間もなく戻ってきた視界には瞼の上から

でも部屋の明かりが眩しい。

 完全に視界を奪われていた自分とは違い

部屋の中はこんなに明るかったのかと驚く。

 そんな中で乱れたのかと思うと今すぐ穴

に隠れてしまいたかったが、ぼんやりとし

ていた視界の隅で動く人影が何をしている

のかようやく確認できた時には血の気が引

いた。


 



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