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短編集・読み切り



「あぁっ、もう早くっ…」


 焦らされると期待して張りつめる股間が

辛い。

 熱棒の先端で中途半端に刺激されるだけ

で前の高ぶりはすっかり勢いを取り戻して

いく。


「ハハッ、触ってもないのにセンセのチン

 コもう濡れてる。

 オレに突っ込まれたらイッちゃうんじゃ

 ない?」

「イッてもいいからもう欲し…っ、あっ、

 ああぁっ!」


 生殺しの状況に耐えかねて懇願したのに、

その途中で一気に奥まで突き刺されて腰が

跳ねた。

 待ちわびた圧迫感は喉を引きつらせるの

に充分で、先程のそれを上回る存在感に全

身が歓喜の悲鳴をあげる。

 ギチギチと痛い位に熱量を締め付けて、

粘膜全体で味わう。

 乱れた呼吸を背中に受けながら彼の腰が

動き始めたのは間もなくで、パンパンと小

気味よく腰が打ち付けられる度にいい場所

を抉られてそれだけで気をやってしまいそ

うだった。


「あぁッ、すごいぃッ、あッ、あぁ…ッ!」

「ちょっ、食いちぎられそ…っ!」


 絡みつきとどめようとする襞を強引にか

き分けて熱棒は何度も奥を穿つ。

 眩暈を起こすほどの快楽が一気に全身を

襲い、貫かれる度に股間で揺れる反り返っ

た高ぶりは熱をはじけさせることもなく快

楽にどっぷりと浸かり込んだ。

 開けっ放しになった口の端からは唾液が

流れ、体勢のせいで床についている胸は芯

をもった突起が突き上げの度に床に擦られ

て指で弄られていた時とは違う刺激を味わ

っていた。


「締め付けキツイよッ。

 もしかして出してないのにイッてんの?

 さすがセンセ、淫乱だね」

「ひあッ!

 でも止まんなぃっ、あああッ!」


 淫乱と言いながら張り切ったモノの根元

を掴んで締め付けられ一瞬体が震えたが、

それでも快楽は途切れることなく頭の芯ま

で溶かしていく。


「気持ちい…っ、もうおかしくなるっ!」

「ケツにチンコ突っ込まれて悦んで腰振っ

 てるってもう変態だよね?

 出してもないのにイキまくってる変態チ

 ンコ、どうすればいいと思う?」

「わかっ、わかんないっ、あッ、やあぁ…

 ッ!」


 耳から脳まで犯されているような錯覚さ

え起こしながら首を横に振ると、彼は前に

手を伸ばしてその根元を指で締め付けた。

 突かれる度にダラダラと快楽を零してい

た高ぶりはその勢いの大部分を塞き止めら

れて熱を吐き出せないまま体の奥に溜まる。

 脳天まで痺れさせる快楽が体の奥で渦を

巻き、お願いだからと彼の腕を掴んだ。


「おねがっ、離してっ、離してッ…!」


 快楽を逃がす術を奪われ、呂律の回らな

い舌で悲鳴を漏らす。

 股間を掴むその手に爪を立ててしまわな

かったのは、快楽で責められるより快楽を

取り上げられるほうが嫌だったから。


「離してほしかったらおねだりしなよ。

 イケなくてもいいって言ったよね?」


 吐精のことだと知りながら青年はその言

葉を持ち出す。

 余計なことなど言わなければよかったの

かと今更自分を呪ったけれども、そもそも

彼の目的はそうではないのだとグズグズに

なっている思考を働かせた。





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あきゅろす。
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